2004年4月2日(金)「しんぶん赤旗」
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野沢太三法相は一日、憲法調査推進議員連盟の副会長を辞任したと表明しました。参院法務委員会で日本共産党の井上哲士議員の質問に答えたもの。野沢法相が同議連副会長に就任した問題は本紙三月三十一日付一面で報じていたものです。
井上氏は、「憲法尊重・擁護義務を負う閣僚のなかでも責任が重い法相が、改憲論議を行う組織の役職に就くことは重大だ」と批判。野沢法相は「大臣発令と同時に副会長を辞めたと思っていたが、そのまま残っていたようだ」と弁明し、手続きを取って副会長を辞任したとのべました。
井上氏は、法務省設置法で「基本法制の維持及び整備、法秩序の維持」を任務としていることを指摘。その組織の長である法相が在任中に憲法調査議連の役職に就くことは「法秩序への信頼を揺るがす重大問題だ」と指摘し、事実関係をただしました。野沢法相は大臣就任前に参院憲法調査会の会長を務めていたとき、議連からの要望で副会長に就任していたとのべました。
井上氏は、司法制度改革推進本部顧問の佐藤幸治京大名誉教授が著書のなかで、「閣僚の憲法改正に関する発言には、国会議員と違った慎重さが求められる」と記述していることを紹介し、「このことを肝に銘じてほしい」と求めました。野沢法相は「憲法擁護を一番目の仕事にすべき立場にあることはわきまえている」と答弁しました。