2004年4月2日(金)「しんぶん赤旗」
イラク中部のファルジャで三月三十一日、武装グループの攻撃で死亡した米民間人四人の遺体が周辺住民らから損傷を加えられた上、車につながれ市中を引きずりまわされ、うち二遺体がユーフラテス川にかかる橋につるされるという事件が起きました。ショッキングな出来事への驚きの一方で、イラク住民の米占領軍に対する怒りと憎しみを示すものとして米国だけでなく、世界のメディアで大きく報じられています。
現地発ロイター電によると、事件を見守っていた住民の一人は「ファルジャにやってきた米国人すべての運命だ」と言い、十二歳の少年は「米国はわれわれを占領している。だからまたこんなことが起きるよ」と怒りをあらわにしていました。
死亡した四人は、治安訓練、警備を請け負う会社ブラックウオーター社(米ノースカロライナ州)の職員。同社の発表によると、職員は米軍特殊部隊や秘密情報機関に属していた人物で、ファルジャへの食料運送の警備にあたっていました。
事件の同日、ファルジャ北西二十キロの町マラマで道路脇に仕掛けられていた爆弾の爆発で米軍兵士五人が死亡。三月中の米兵の死者は少なくとも四十八人に達しました。これは、八十二人の死者を記録した昨年十一月に次ぐ多さです。
ファルジャでは一日にも、米軍車列が攻撃され炎上する事件が発生しました。
米占領軍のキミット准将によると、米軍に対する攻撃は先々週の一日当たり平均二十回から先週には平均二十八回と増加しています。
米軍兵士の死者は三月二十日の開戦以来、少なくとも五百九十七人、ブッシュ米大統領が大規模戦闘の終結を宣言した五月一日以降では四百五十九人となっています。