2004年4月5日(月)「しんぶん赤旗」
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【カイロ=岡崎衆史】イラクからの報道によると、同国中部のナジャフ近郊で四日、米軍主導の占領軍によるイスラム教シーア派指導者サドル師の側近逮捕に抗議する約一万五千人のデモに対し、ナジャフを管轄するスペイン軍などが発砲し、少なくとも二十人が死亡、百五十人が負傷しました。
デモは、同派指導者サドル師側近のヤクービー師の釈放を求めるとともに、米占領当局によるサドル師支持の週刊紙の発禁処分とイラク占領そのものに抗議するものでした。
デモ隊は、これらを訴えながら、スペイン軍を中核とするナジャフ近郊の占領軍基地に向かったところ、これを阻止しようとして占領軍側が発砲しました。サドル師の私兵が応戦し、銃撃戦になったとの情報もあります。
サドル師支持デモはバグダッドや北部キルクーク、南部ナシリヤ、バスラでも行われました。
デモは、占領当局が三月二十八日、サドル師支持の週刊紙アルハウザを、暴動を扇動しているとして六十日間の発禁処分にした直後からバグダッドなどでほぼ連日行われていました。三日にヤクービー師拘束が伝えられると拡大の様相を示していました。
サドル師は、イラクの人口の約六割を占めるシーア派のうち、バグダッドの貧しい住民を中心に支持を広げてきました。
米当局が占領補佐の目的で任命した統治評議会に他のシーア派組織が加わるなかで、同師は参加を拒否。イラク占領に反対する有力な指導者として知られています。