日本共産党

2004年4月6日(火)「しんぶん赤旗」

イラクへの部隊輸送拒否

防衛庁要請に日航、全日空

小泉議員質問


 日本共産党の小泉親司参院議員は五日、参院イラク有事特別委員会で、昨年十月に防衛庁が日航と全日空に対してイラク派遣部隊の輸送を要請し、両社に拒否された事実を明らかにしながら、民間航空機の軍事利用をしないよう求めました。石破防衛庁長官は「非公式な要請」とことわりながらも、「隊員の輸送に関して調整していた」と民間航空会社への要請の事実を認めました。

 小泉議員は、三月に開かれた日本航空の経営協議会の報告書をもとに質問。新町敏行同社副社長が協議会で、航空機の軍事利用に関し、定期航空協会が明らかにした航空法の順守や、運航の安全性確保などを前提とする三原則とともに、「機長の判断も加えて総合的に判断する」との表明を行っている事実を指摘。「自衛隊の派遣部隊をイラクに輸送せよ、と繰り返し押しつけ的な要請はすべきでない」と追及しました。

 石破長官は「軍事利用はまったく考えていない。が、必要があればお願いすることはある」と答弁しました。

 経営協議会では、同社副社長が有事法制・武力攻撃事態法にもとづく「指定公共機関」で航空輸送事業者を指定することについても、「『指定公共機関』の責務であっても安全を大前提に総合的に判断する」と答えています。

 さらに、同副社長は自衛隊法一〇三条関連の自衛隊法施行令で業務従事命令の対象に航空輸送事業者が組み込まれた件についても、「運航の安全が確認できなければ、『従事命令の取り消し事由』に解されると判断している」とのべています。


定期航空協会の三原則

 (1)協力依頼内容が航空法に抵触しないなど、法令に準拠したものであること(2)事業運営の大前提である運航の安全性が確保されること(3)協力を行うことにより、関係国から敵視されることのないよう、協力依頼の内容が武力行使に当たらないこと。


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