2004年4月8日(木)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】イラク駐留米軍は六日から七日にかけ、首都バグダッド西方約五十キロのファルージャで、無差別殺傷兵器のクラスター(集束)爆弾も用いて大規模な無差別攻撃を行い、中心部でモスク(イスラム礼拝所)を破壊するなど、二日間で女性や子どもを含むイラク人五十人以上を殺害しました。(6、7面に関連記事)
占領軍とイスラム教シーア派指導者サドル師支持者の衝突で始まった四日からの戦闘によるイラク人死者は百人を大きく超え、戦闘地域も全土に拡大しました。北部のキルクークでも七日、反米デモに米軍が発砲し、イラク人八人が死亡したと伝えられます。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラによると、米軍は七日朝、ファルージャに激しい攻撃を加え、イラク人約二十人を殺害、百人以上を負傷させました。アラブ首長国連邦(UAE)の衛星テレビ・アルアラビアが七日、住民の話として伝えたところによると、米軍機は、二百以上の子爆弾をまきちらすクラスター爆弾を使用しました。
米海兵隊は六日からAC130攻撃機や武装ヘリなどでファルージャへの軍事作戦を本格化。ロケット弾の民家への命中で二十五人が死亡したのを含め、六日だけでイラク人三十六人が死亡しました。
六日にはファルージャから西に五十キロのラマディで、米海兵隊と武装勢力の交戦により、海兵隊員十二人が死亡し、二十人が負傷。一度の戦闘での米兵死者としてはイラク占領後最大規模となりました。
一方、中南部のシーア派地域での戦闘について、駐留米軍のキミット准将は七日、バグダッドで記者会見し、「(サドル師の)マフディ軍を壊滅するために攻撃する」と述べ、壊滅作戦への着手を表明。米軍は六、七の両日、首都バグダッドのシーア派地域、サドルシティーを空爆し、イラク人四人が死亡しました。
中部のカルバラでも、米軍とサドル師支持の民兵が交戦し、イラク人三人と巡礼のイラン人五人が死亡しました。同市近郊では、ポーランド兵二人とブルガリア兵三人が負傷しています。
アルジャジーラによると、中部のクートでは、ウクライナ軍とシーア派武装勢力の交戦で、ウクライナ兵一人が死亡、五人が負傷、イラク人十二人が死亡しました。