日本共産党

2004年4月8日(木)「しんぶん赤旗」

年金積立金の使途は?


 〈問い〉 年金積立金が、株の運用の失敗やグリーンピアなどの無駄な開発に使われていたと報道されていますが、それ以外にはどのようなところにどのくらいの規模で使われているのでしょうか?(福岡・男性)

 〈答え〉 積立金の使途は、大きくいって、グリーンピアなどの箱ものづくり、年金資金運用基金による市場での「自主運用」、財務省の財政投融資の財源となっています。

 破たんしたグリーンピアについて、政府は二〇〇五年までにすべて廃止・売却する方針ですが、売却の見通しもほとんどたっていません。

 財政投融資にまわっている部分の使途を財務省に問い合わせたところ、「財政投融資は全体としておこなっている(お金に色はついていない)ので、年金積立金、郵貯など、各財源ごとにその使途を答えることは無理である」との回答でした。

 なお、政府の財政投融資自体は、地方公共団体の発行する地方債のひきうけや、国民生活金融公庫など政府系金融機関の財源などにまわされています。また、箱ものづくりの財源にもなってきました。

 その財政投融資よりも利回りが大きいといって約二十年前に始められたのが市場での「自主運用」です。二〇〇〇年〜〇八年までかけて、財政投融資に預託しているものはすべて、この「自主運用」にまわされることになっていますので、今後は、これが政府の積立金の使途の中心になります。「自主運用」は、株式や債券を買うもので、〇二年度末で三十五兆円の運用です。株価の低迷により、〇二年度末までで、累積六兆円の損失を出してきました。

 国民の貴重な財産である積立金を、リスクの高い株で運用することは、運用に「失敗した」金融機関が〇二年度だけでも百七十六億円もの手数料を受け取っていることもふくめて、国民の批判の強いところです。

 日本共産党は、このような巨額の積立金を計画的にとりくずし、給付や負担抑制にあてるべきだと主張しています。(

 〔2004・4・8(木)〕


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