2004年4月9日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の不破哲三議長は八日夜、東京・江東区内での演説会で、小泉内閣がイラクへの自衛隊派兵の論拠とした「二つの大きなウソ」がすべて崩れたことを明らかにし、イラクからの撤兵を強く要求しました。
「大きなウソ」の一つ目は、「戦闘地域には出さない」という口実です。国会では、政府は、自衛隊がいくイラク南部はフセイン政権から弾圧されていたシーア派住民が多数の地域で平穏だとしていました。しかし、いまそのシーア派にも武器を向けているのがアメリカ軍であり、イラク国民全体が占領支配に抵抗する危険な状況になっていることを指摘し、「アメリカの不当な占領が続くかぎりイラクには『非戦闘地域』などありえないことは明らかだ」とのべました。
二つ目の大ウソは、「イラクでは、自衛隊以外に人道支援できる組織はない」ということです。サマワの有力紙は「自衛隊の支援は姿がみえない」と書く始末。実際、四百四億円の予算のうち物資提供に使ったのは族長に送った羊百十頭分だけ。中心活動の給水も、一日八十トンだけで、一万六千人分と宣伝していますが、これは一人五gと計算してのこと。自衛隊員一人は百g必要としていますから、「水増し」報告です。一方で、各国のボランティア団体は数千万円の費用で八万人から十万人分の給水をすでにおこなっています。
こうした実態を明らかにした不破氏は、「三カ月の実績が示したものは自衛隊が人道支援にはいちばん不向きな組織であるということだ」と指摘。結局、自衛隊派兵は、アメリカの無法な戦争と不当な占領を応援するため「政治的援軍」にすぎないことを告発しました。
不破議長は、このまま自衛隊派兵を続ければアメリカの戦争に巻き込まれることは必至だとのべ、「わが党はイラク撤兵を強く要求する。政府の論拠がすべて崩れた以上、派兵に固執すべきではない」と強調しました。