2004年4月9日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は八日、CS放送「朝日ニュースター」の番組に出演し、現在のイラク情勢について「米英を中心とする占領軍とイラク国民全体が大きな衝突に陥るという非常に深刻な事態になっている」と指摘、占領軍による武力弾圧の即時中止と、同国に派兵されている自衛隊の速やかな撤退を求めました。
志位氏は、イラク全土に広がっている衝突の直接のきっかけは、占領米軍による言論弾圧や抗議デモへの発砲など無法な武力弾圧にあったと指摘し、米軍がモスクや一般民家に爆撃を加え、無差別殺傷兵器であるクラスター爆弾まで使って女性や子どもをはじめ多数のイラク国民を殺傷していることを厳しく批判しました。
また、「(占領軍が)イラク国民に対する戦争を仕掛け、新たな戦争を引き起こしているのがいまの実態で、非常に深刻な悪循環が起こり始めている」とし、「ただちに占領軍は武力弾圧をやめるべきだ」と強調しました。
志位氏は「いまおこっている事態の根底には米英の侵略戦争と軍事占領支配にたいするイラク国民の強い怒り、憎しみがある。それが深く広がっている事態が明らかになったのだから、米英軍主導の占領支配をやめ、国連中心の枠組みに名実ともにきりかえる、そのもとでイラク国民が自分の手で国づくりができるような主権返還を速やかにおこなうことが、いよいよ急務となっている」と述べました。
志位氏は現在、イラクに派兵されている自衛隊が宿営地から一歩も出られない状況になっていること、さらに宿営地近くに迫撃弾が着弾したことについて、「派兵された地域が文字通りの戦闘地域になっているということだ」と指摘。政府が自衛隊を派兵するときに「戦闘地域には送らない」「(近くで戦闘行為がおこるなど)状況が変われば撤退することもある」と繰り返していたことにふれ、「派兵の根拠はイラク情勢の進展からいって完全に崩れている。このままでは自衛隊とイラク国民が衝突して双方に犠牲者が出るという最悪の事態になりかねない。自衛隊の撤兵を速やかにはかることを強く求める」と述べました。