2004年4月10日(土)「しんぶん赤旗」
 怒りを込めて訴える志位和夫委員長（左）と紙智子参院議員（右）＝９日、東京・ＪＲ渋谷駅前 |
日本共産党の志位和夫委員長は九日、東京・ＪＲ渋谷駅前で、日本人三人が武装集団に人質にされた事件について、「許すことのできない卑劣な蛮行だ」と指摘。その上で、自衛隊派兵の根拠も大義も崩れているもとで撤退を拒否する日本政府の対応について、「大義も根拠も崩れたもとでの派兵に固執することで、日本人の大切なかけがえのない命を損なうようなことは絶対に許してはならない。すみやかに自衛隊は撤退せよ」と訴えました。
志位氏は、人質のうちの二人が、ＮＧＯ（非政府組織）やボランティアで、イラクの人道支援に尽力していたと指摘。政府が、「自衛隊は人道復興支援に行っている」と言い訳していることに対し、自衛隊の派兵がＮＧＯなどの人道支援に障害と危険を持ちこんでいるとのべ、「人道支援の専門家を危険にさらし、命を危険にさらして、何が人道でしょうか。『人道支援のため』という口実で、人道支援のためにがんばってきたみなさんの命を犠牲にするようなことは、絶対にあってはならない。させてはならないことだ」と強調しました。
志位氏は「占領のために、日本国民の命を犠牲にするな、戦争の応援、占領の応援のために日本人の生命を犠牲にするな、この声をあげていこうではありませんか」と呼びかけました。
 緊急街頭演説する市田忠義書記局長と宮本たけし参院議員（左）＝９日、大阪・梅田ナビオ前 |
イラクで邦人三人が拘束された問題で、日本共産党の市田書記局長は九日夕、大阪・梅田のナビオ前で緊急の街頭演説に立ち、日本の民間人三人の安全と解放のために政府があらゆる努力を払うとともに自衛隊の速やかな撤退を決断するよう求めました。通りがかった人の多くが、しばし足を止め、訴えに耳を傾けました。
市田氏は、三人拘束の蛮行を糾弾した上で「政府の行動によって人命が奪われるような立場は絶対にとるべきではない」と、昨夜来の小泉首相や福田官房長官の「撤退する理由はない」との発言をきびしく批判。いまやイラクはだれが見ても全土が戦争状態であることや、大量破壊兵器の存在を口実にしたイラク戦争の根拠がすでに崩れていること、自衛隊のイラクでの給水活動が各国ＮＧＯの活動に比べて非効率極まりないことなどを示し、「日本共産党は、三人の命を救うためにも、国連中心の復興への転換を図るためにも、自衛隊の速やかな撤退を政府に求め、真のイラクの復興を願う日本と世界の多くの人々と手を携えて最後までがんばりぬく」と決意をのべました。
宮本たけし参院議員も国会から急きょ駆けつけ、政府の態度を追及しました。
宣伝カーの近くで最後まで熱心に聞いていた吹田市の宇技洋介さん（２３）は、「事件のことは、『政府に抗議しよう』という友人からのメールで知りました。演説の内容はまったくその通りだと思います」と感想を語りました。
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