日本共産党

2004年4月10日(土)「しんぶん赤旗」

中国、韓国間との戦後清算は?


 〈問い〉 戦後、日本と北朝鮮との間では戦争の清算がおこなわれていないことを貴紙で知りましたが、日本と中国、韓国との間ではおこなわれたのですか?(埼玉・一読者)

 〈答え〉 他国と戦争をした場合、戦後に平和条約を結んで戦争の清算をするのは、通常のことです。ただし、中国、韓国との間での戦争の清算は、複雑な経緯をたどりました。

 中国は、ほとんど全土を実効支配していたにもかかわらず、台湾に逃れた人々が「中華民国」を名のり、アメリカや日本は「中華民国」だけを中国政府と認める政策をとりました。ですから、日本は「日華平和条約」(52年)を結び、戦後の清算を終わらせようとしました。しかし、不自然な状態が続くわけはなく、結局、国連の代表権も「中華民国」から中国に移りました。

 ようやく72年、中国との間で「日中共同声明」をだすことで、事実上の清算をおこなったのです。けれども、日本は、すでに「日華平和条約」で清算は法的に終わっていることに固執し、通常はおこなわれるはずの賠償金の支払いは拒否しました。

 韓国との間では、51年から交渉が開始されました。交渉過程で日本は、植民地支配にはいい面があった、その時代につくった建物や鉄道を財産として置いてきた、などと主張し、韓国側の反発を受けました。65年、日韓基本条約と関連条約(経済協力協定等)が結ばれ、法的には清算がおこなわれ、経済援助もすすみました。

 しかし、日本が植民地支配の過去への謝罪を条約の中に入れることを拒否したことから、その後も、清算の名に値しないのではないかと、問題になり続けました。98年の日韓共同宣言で、ようやく「我が国が過去の一時期韓国国民に対し植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、痛切な反省と心からのお詫びを述べた」と明記されることになったのです。(

 〔2004・4・10(土)〕


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