2004年4月11日(日)「しんぶん赤旗」
イラクでの日本人人質事件で、犯行グループが指定した期限まで残り一日と迫った十日、日本共産党は志位和夫委員長が千葉・船橋駅前、市田忠義書記局長が神戸市元町でそれぞれ演説したのをはじめ、全国各地で自衛隊の速やかな撤退を求め、署名をよびかけました。
|
志位委員長は、八日に事件が発生してのちの日本共産党の態度表明と行動について報告するとともに、政府が「テロに屈するわけにはいかない」として自衛隊派兵を継続する方針をとりつづけていることについて、「かりに日本政府の行動が正義と道理にたったものなら、そういう言い分もなりたつかもしれません。しかし、今回の自衛隊の派兵は、日本人の生命を犠牲にしてまで、それをつづける『大義』があるでしょうか」と訴え。政府が口実としていた「人道支援のため」「非戦闘地域にかぎる」という言い分が根本から崩れていることを、一つ一つの事実を示して明らかにしました。
|
「アメリカの機嫌をそこねてはならない」――志位氏は、「日本政府が派兵に固執する理由はこの一点にしかない」とのべ、「それだけのために憲法を破壊し、日本人の命をそこなうなどという行動を、絶対にとるべきではありません」と訴えました。志位氏が「犯罪グループのいう期限がせまっています。すみやかな決断が必要です。無法な戦争と占領のために日本人の命を犠牲にしてはなりません。自衛隊はイラクからすみやかに撤退せよの声を、政府に集中しましょう」とよびかけると、大きな拍手がわきおこりました。
志位委員長に先立ち、浅野ふみ子参院千葉選挙区候補も訴えました。
自転車を止めて聞いていた矢野光雄さん(61)は、「自衛隊が撤退すべきだということに尽きる。志位さんの話を聞いて、派兵自体が、出発点から間違っていたことを強く感じた。危ぐしていたとおりのことになってしまった。早く撤退してほしい」と話しました。
買い物袋を手に拍手を送っていた女性(33)は、「国民の命を考えない政府はとんでもない。テレビを見て胸がつぶれるような、いたたまれない思いがしていた。志位さんが思いのたけを話してくれた。まったく同感です」とのべました。