2004年4月11日(日)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】イラクでは、日本人三人が首都バグダッド西部で武装勢力に拘束されて人質になるなど緊迫した状況が続く一方、十日も、米軍を中心とする占領軍による反占領抵抗勢力や市民に対する攻撃が各地でつづき、激戦状態となっています。九日はフセイン政権崩壊後一年。米軍は戦争を継続しつつさらに新たな戦争へと無法な侵略行為を拡大しつつあります。
米軍の武力行使に対するイラク国民の怒りは、イスラム教シーア派、スンニ派などの宗派の垣根をこえて広がり、米軍とこれに加担する「連合」軍に対する共同のたたかいとして急速に拡大しています。
他方、米占領当局が任命した統治評議会は十日声明を出し、ファルージャでの米軍の攻撃を「罪のない人々にたいする集団的な懲罰行為」と非難。「イラク全域での即時停戦と問題の政治解決」を求めました。
米占領軍は十日朝も、バグダッド、同西方のファルージャ、中部のナジャフなどで占領抵抗勢力に対して攻撃を続行。ファルージャで、米軍は、抵抗勢力に一時停戦を呼びかけましたが、すぐに戦闘を再開しています。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが十日ファルージャの医療当局者の話として伝えたところによると、五日以来の米軍の攻撃による同地でのイラク人の死亡者は五百人を超えました。
バグダッド西部のモスクでは九日、シーア派とスンニ派の合同礼拝が行われました。参加者は、米軍の武力行使を糾弾し、撤退を求めるスローガンを叫びました。モスク周辺では負傷したスンニ派市民に輸血するためにシーア派市民が列をつくっていました。
また、イラク南部のナジャフなどからファルージャ市民を救助するために多数の青年がトラックでかけつけています。