2004年4月11日(日)「しんぶん赤旗」
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バグダッドに滞在していたフォトジャーナリストの森住卓さんが十日、帰国し、東京都内で記者会見しました。森住さんは、取材のためバグダッドで高遠菜穂子さんを待っていたのに到着しなかったときの状況や、ストリートチルドレンの子どもが高遠さんを待っていることなどを語りました。
森住さんは二月末からイラクでストリートチルドレンを取材、滞在を延期して高遠さんと子どもたちのふれあいを取材する予定だったと説明しました。
しかし、予定から一日以上たっても到着しないので異常だと感じ、八日朝、日本国際ボランティアセンターのスタッフとともに大使館への連絡をとりました。さらに同日、手がかりを探すため高遠さんたちが通ってきた陸路をたどってヨルダンのアンマンに戻ったところ国境で誘拐の連絡を受けたと語りました。
森住さんは、高遠さんが支援していたストリートチルドレンの子どもが「ナオコはいつもどってくるんだ」といって、高遠さんと自分が二人で写っている、しわくちゃの写真をポケットから出して見せてくれたとのエピソードを紹介。「あの子どもたちのためにも、無事戻ってくることを願っています」と話しました。
森住さんはまた、政府の対応について、「拉致が明らかになったとたんに、自衛隊は撤退しないと、非常に軽率な発言をした。どういう犯人かもわからず、どうしてそういう判断ができるのか。非常に人命を軽視した発言だと思います。人間をなんだと思っているんだろうと憤りを感じています」と話しました。