2004年4月13日(火)「しんぶん赤旗」
イラク人質事件をめぐり、街頭での宣伝行動のなかで、イラクの現状をどう見たらいいのか、なぜこんな事件が起きたのか、青年たちの間で熱い討論が起きています。
「人質の日本人解放へ」と報じられながら、解放が確認されず、もどかしく不安な気持ちが募る十一日夕。東京・渋谷ハチ公前では、明るい革新日本をめざす中央青年学生連絡会議、全国高校生平和集会実行委員会、日本平和委員会、ワールドピースナウが、それぞれイラク派兵の賛否を問うシール投票やイラク撤兵を求める署名、小泉首相への一言メッセージなどにとりくみました。
シール投票で、イラクへの自衛隊派遣「賛成」にシールをはった長江真崇さんは高校三年生。投票をよびかけた青年が、理由をきくと、「アメリカのやっていることはやり過ぎだと思うけど、自衛隊は、イラクで水を浄化したり人道支援活動をしているんだから」との返事。青年たちが「でも、給水活動なら、民間人のボランティア団体の方が、ずっと効率よくしているんですよ」「イラクにいっている航空自衛隊は、武器や弾薬、兵隊を輸送しているんですよ」などと説明すると、「え、そうなんですか。じゃあ、賛成にはるのはやめて、ここにします」といって賛成、反対の間の線の上にシールをはりました。
「小泉首相への一言メッセージ」に「あなたがイラクにいってください。武力よりは、彼らに仕事を与えてください。人の命は、国との関係よりも軽いものですか」と書いた大西芙美枝さん(19)は、「この問題、父とはよく話しています。友だちとは話していないけど、自分はこう思うんだけどって話し合っていきたい」といって、メッセージをよびかけた青年と対話になりました。
少し離れた所で、二人の女性が横断幕にメッセージを書いていました。
伊藤美穂さん(24)は、「私は、イラク戦争に反対だったし、自衛隊の派遣にも反対だったけど、何も行動できなかった。だから、私に意見をいう資格があるのかと思うけど、何か行動したくて」といいます。会社員の女性(24)は、「イラク戦争の始まる前、私アメリカ大使館の前にいったの。だけど、戦争が始まって、ガックリしてた。だけど、私たちが怠慢だったから、三人にのしかかってこんな事件が起きたんじゃないかと思ったら、いてもたってもいられなくて。動くのはいつでもいいと思うよ」といって、「MOVE 今日、私は『命』を考えた。MOVE 動いてみよっかなっと思った」と書きました。
同じ場所で青年有志が午後八時半から翌十二日の午前四時まで行動し、A4判の「一言メッセージ」が四百七十人から寄せられました。
じっと立ち止まってみんなのメッセージをよく読み、しばらく考えてからメッセージを書き込む青年があいつぎました。
それは、イラクの問題を、他人事ではなく、自分はどうすべきか真剣に考えながら、討論しているように見えました。
☆アメリカとの関係も大事なのだろうけど、自衛隊を派遣するのはやめた方がいい。戦争をこれ以上ひどくさせるのはやめた方がいい。平和のためにお金も人の力も使いたい。平和のために頑張ったのに殺されるなんておかしい
☆早く自衛隊を日本に戻して、イラクにはボランティアやNGOの人にがんばってほしい。人の命を大切に!
☆平和が一番。アメリカに頼りすぎの日本はどうなの??
☆(ハングル、英語と日本語で)世界に平和を
☆自衛隊という名の軍隊を派遣することは、不安と脅威をアラブ人に与えると思いますし、話し合いによる平和的解決に訴えるなどの人道支援が必要なので、撤退を早く決めてください。