2004年4月13日(火)「しんぶん赤旗」
今この瞬間にも解放されていることを信じたい――。イラクでの日本人三人が拘束された事件で十二日、家族らは、錯そうする情報にほんろうされながらも、「命を救うために今日一日を力尽きるまで行動したい」と、各政党要請や国会審議傍聴、テレビ出演などに駆け回りました。
犯行グループが「三日以内」とした当初の期限も、カタールのアルジャジーラ放送が「二十四時間後に解放する」と報じた十一日午前三時(日本時間)から二十四時間の期限も過ぎました。家族が望みをつないでいたのは、「二十四時間以内」の期限が日本時間の十二日午前九時ではないか、との情報でしたが、むなしく時は過ぎました。
明け方ホテルにひきあげたばかりの家族らは、午前九時に北海道東京事務所で記者会見。
高遠菜穂子さんの弟、修一さん(33)は、この日、久しぶりにシャワーをあび、ひげをそって会見にのぞみました。
姉の菜穂子さんを知るイラクにいる友人の話を紹介しました。菜穂子さんがイラクで世話をした子どもに会った際、事件を知った子どもが「なんてことだ。ぼくがかわりにいくから」と泣いたといいます。
修一さんは、「姉の行動は間違ってなかったと確信しています。命を救うために力尽きるまで行動したい」と力をこめました。
今井紀明さんの父、隆志さん(54)は、「不安でたまらない。人命尊重を訴えつづけてきました。人命尊重ってなんでしょうか、現地の自衛隊の方にもつながるものではないでしょうか。これからだと思っています。よろしくお願いします」。
郡山総一郎さんの母、きみ子さん(55)は、かすれる声で「日本の、世界の人からの救ってあげたいという声はすごくうれしい。日本の、世界の、イラクのみなさん、私たちを応援し助けてください」と、頭を下げました。
緊迫した状況が続くなか「人命救助のために、発言力のある人、ネットワークのある人に応援してほしい」と、連絡先を公開しました。
家族は「小泉首相に会って直接訴えたい」と強く願っています。