2004年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
中東カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは日本時間十三日未明、日本人三人の人質事件にかんする討論番組を放映しました。このなかで、イスラム教スンニ派の指導者でつくる「ムスリム聖職者連盟」の代表とイスラム教シーア派聖職者の双方が、日本人三人の解放を呼びかけていることを明らかにしました。
同番組を報道したNHK番組によると、聖職者連盟代表は、犯行グループについて「旧フセイン政権の残党でもテロリストでもない。ファルージャを守るために抵抗しているグループだ」と言明。「彼らは、(解放を求める)われわれの呼びかけに応じると確信している。彼らは日本人を人質にしただけで殺害する考えはないと思う」とのべました。
シーア派聖職者も「誘拐グループがムスリム聖職者連盟の呼びかけに応じたことは、われわれのメッセージをただしく受け止めたということだ」と指摘。そのうえで、「われわれは日本人人質の解放を求めているが、だからといってアメリカの圧力に屈してイラクに派兵をした日本政府の立場への批判をやめたわけではない」とのべました。
この聖職者は「日本はアメリカを恐れている。そうだとしても、イラクに派兵する権利はない。たとえ、人道支援のためでもだめなものはだめだ」と表明しました。
この放送を報じたNHK番組では、聖職者連盟代表が「時間がかかっているのは、安全上の問題だ」と発言したことも紹介しました。