2004年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
「こんな改悪されたら、生活でけへん。庶民いじめの流れを変えたい」―。〇四国民春闘共闘委員会が呼びかけている、「4・15年金スト」。全国で広がる怒りを力に、各地で多彩な取り組みがおこなわれます。大阪労連は、「4・15ふざけるな 年金大改悪 大阪府民・労働者総決起集会」(扇町公園・午後二時開会)を開催。数万人規模の参加者でアピールします。丸山聡子記者
吹田市職員労働組合では、年金改悪の内容についての学習会に力を入れています。十三日には、三カ所で学習会を開きました。
病院支部では、昼休みを利用し、二日間にわたって四回の学習会を行いました。看護師や医療事務の組合員が次々にやってきます。
講師を務めたのは、市職労書記長の前田博史さん。全労連が作製した特大ポスターを使い、保険料は上がり、給付は下がる“史上最悪”の年金改悪の内容を説明しました。
「保険料が給料の一割近くとられるやん」と前田さんが説明すると、参加者からは「三十万円やったら、三万円も保険料でとられるやん。困るわ」と、ため息がもれます。
配られた資料を手に、「これこれ、切実な問題や」と席についたのは、院内保育所の保育士、高橋狹穗子(さほこ)さん(59)。「夫が亡くなり、一人で生きていかなければならないので、不安です。六十歳で辞めても、安心して病気にもかかれへん。何度も改悪されて、ちゃんと払っても約束どおりもらえないのは、本当に憤りを感じます」といいます。
学習会のあと、熱心に語りあっていたのは、三十代の看護師の女性二人です。「本当にもらえるのか、払った分はどうなるのか、先行きが見えなくて不安」と口をそろえます。「空洞化といわれるけど、将来もらえることがハッキリしていれば、払う人も増えると思う。払えない人への対策もしてほしいですね」と話していました。
吹田市職労では、三月から地域に出て、市民と対話をすすめています。団地を中心に、ハンドマイクで法案の中身を説明しています。
学童保育所の指導員をしている大西春美さん(57)は、何度も宣伝に参加しています。
「国会で年金のことが審議されてます。知ってはりますか」と切り出すと、「年金が下がるんやろ。決まったんやろ」と、反応が返ってきます。
多くの人が、テレビや新聞の報道で、保険料は上がり、もらえる年金額は下がることを知っているといいます。大西さんは、「失礼なことかと思いますけど、生活はいまでも大変でしょう。今の年金だって、十分じゃないでしょう?」と問いかけます。すると、「介護保険も医療費も上がったやろ。消費税も値上げする言うてるけど、これ以上、もう困るわ」「どこまで庶民をいじめたら、気がすむんや」と話が始まります。
家族の分まで快く署名をしてくれたり、「これから親類が集まるので、みんなに頼んでみます」と署名用紙を持ち帰った人もいました。
大西さんの原動力は、「税金の使い道が間違っている」という怒りと、「流れをどうにか変えたい」という思いです。「不景気で大変やけど、国民のために税金使ってくれるのやったら、ちゃんと払う。自衛隊派遣や公共事業ばっかりに使われるのは納得いかん、という声が多い。きちんと話せば、怒りは広がります」と話していました。