2004年4月14日(水)「しんぶん赤旗」
イラクで武装勢力による外国人人質事件が相次ぎ、十三日発生したイタリア人誘拐事件を含めて報道など確認されただけで日本人三人を含め、十七カ国五十八人以上に達しています。十三日に新たに誘拐されたのはイタリア人四人で、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、武装勢力側は「カタイバ・アル・ムジャヒディン」(戦士大隊)を名乗り、イタリア軍のイラクからの撤退を要求しているといいます。
【モスクワ=田川実】ロシアの電力企業「インテルエネルゴサービス」のバグダッド駐在作業員ら八人が十二日夜、十数人の襲撃を受け宿舎から誘拐されましたが、十三日、約十六時間ぶりに全員無事解放されました。八人のうち五人はウクライナ人で三人がロシア人。
襲撃ではイラク人警備員二人が死亡したといいます。
ロシアはイラクに部隊を派遣していませんが、ウクライナは約千六百人を送っています。
一方、ロシア政府は事件をきっかけに、五百人を超えるイラクの全ロシア人を非常事態省の飛行機で退去させることを検討し始めました。
【北京=小寺松雄】イラクで十一日に現地武装勢力に拉致、拘束されていた中国人七人は、十三日未明(現地時間十二日夜)に解放され、無事が確認されました。中国駐イラク大使館再開準備室職員と中国国営新華社通信の記者が、バグダッドで七人に面会しました。うち二人が交通事故でけがをしているものの、全員元気だということです。
中国外務省の孔泉報道官は同日午後、人質救出のため、イラクの各方面と連絡をとり、協力を求めたことを明らかにし、「中国のイラク問題での立場がイラク国内の各層から積極的に評価された」ことが「重要な役割を果たした」との見方を示しました。また同報道官は、イラク国内で多くの外国人が誘拐されていることに憂慮を表明しました。
大使館再開準備室の孫必干責任者によると、解放はイスラム聖職者長老会を通じて実現したもので、七人は十二日午後九時に武装集団側から長老会に引き渡されたといいます。七人はその後、バグダッド市内の中国人経営のホテルに移りました。
七人はいずれも福建省出身の男性で、四十九歳から十八歳。十一日午前、ヨルダン経由でイラク入りしました。家族などによると、昨年十一月ごろに「イラクへ出稼ぎにいく」と出国しました。中国紙によると、闇の海外移住組織が手引きした人もいるといいます。
|