2004年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】イラクからの報道によると、停戦が続いていたバグダッド西方約五十キロのファルージャで、米軍は十三日夕から十四日にかけて、停戦後初めてF15戦闘機を投入して激しい攻撃を行いました。米軍はまた十四日までに、イラク中部のイスラム教シーア派聖地ナジャフ近郊に約二千五百人の部隊を集結させ、シーア派指導者サドル師の支持勢力に対する攻撃の準備を進めるなど、イラク情勢は緊迫の度合いを深めています。
ファルージャで停戦交渉に当たっているイラク・イスラム党の幹部は十四日、停戦が同日午前九時(日本時間同日午後二時)からさらに四十八時間延長されたと語りました。
しかし、米軍はその後も攻撃を継続。十三日からの攻撃で、F15戦闘機のほかに、AC130攻撃機や武装ヘリ、戦車など大規模な戦力を投入しました。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラが伝える現地医療当局者の話によると、十四日にはイラク人五人が死亡、三人が負傷しました。十三日には、イラク人九人が死亡、三十九人が負傷しています。米軍側は十四日、ファルージャを含むバグダッド西方のアンバル州で、十二日と十三日に各二人の海兵隊員が戦闘で死亡したと発表しました。
一方、ナジャフでは、サドル師の「逮捕か殺害をめざす」とする米軍が、同師の民兵組織「マハディ軍」の壊滅に向け準備を進めています。
民兵に守られながら、ナジャフに滞在しているサドル師は十三日、レバノンのシーア派組織ヒズボラ系の「マナール・テレビ」とのインタビューで、「私が死んだとしても占領拒否のたたかいをやめないようイラク人に訴える」と徹底抗戦を呼びかけています。