2004年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の不破哲三議長は十四日夜、東京・調布市内の演説会で、イラクでの日本人人質事件にふれて、「テロに屈するな」という一部の声に対し、自衛隊派兵には人命を犠牲にしても守りぬかねばならないような「大義」がないことを指摘。政府自ら主張した派兵の根拠がすべて崩れたことを明らかにしたうえで、「さらに大きな問題が生まれてきた」としてファルージャ地域を中心にしたイラク情勢を解明しました。
不破氏は、ファルージャの戦闘の激化の背景には、「アメリカの無法なやり方がある」として、旧フセイン政権に反対していた部族まで反米に回った実態をあげました。イラク統治評議会の評議員が辞任や抗議の声明を出したり、ストライキ宣言をする事態になるなど、アメリカ占領への協力派の中にまで大きなひびが入っていることを指摘。さらに、フセイン政権下で弾圧されたシーア派のイラク南部でもアメリカへの抵抗が強まっていることをあげ、そういう時期に軍隊を派遣したのが日本であるとのべました。
元イラク駐在の外交官が“今ではアメリカと一緒になった国として一番目立っているのが日本だ”と指摘するような情勢が現実に進んでいるとのべ、「このまま日本がアメリカと一緒になって、直接自分が戦争をしないまでも、その無法な占領軍の一番の応援団として行動しつづけたらイラクはどうなるのか、日本そのものがどのようにイラクで、アジアで、世界で受け取られるのか。そのことを本当に考えなければいけないときだ」と指摘。いよいよイラクからの自衛隊撤兵が急務だとして、「人命優先で取り組め、イラクの派兵をやめろの声を大いにあげて、政府をも動かす力をもつところまで大きな流れをつくっていただきたい」と満身の力を込めて訴えました。