2004年4月15日(木)「しんぶん赤旗」
「年金保険料を引き上げるな」「最低保障年金制度をつくれ」―商店街や路地裏に力強い唱和が響き渡りました。神奈川県では、全労連や〇四国民春闘共闘委員会がよびかけた十五日の「年金ストライキ」に呼応し、三月三十日から今月十四日まで半月以上をかけて、県内十一地域で「年金行進」をくり広げました。
内野健太郎記者
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川崎市では十三、十四の両日に実施しました。初日は、川崎市川崎区の市役所近くから出発し、幸区を経て、中原区の西端まで六時間をかけて歩き通しました。
中原区の商店街では、行進の時間に合わせて、地元の年金者組合川崎中原支部の組合員たちが、「許せない!史上最悪の年金大改悪」の立て看板を自転車に立てかけ、署名宣伝行動。行進者に手をふって、エールを交換しました。
買い物途中の女性は、保険料は引き上げ、給付は削減と書いたビラに目をやり、「本当に困るわよね。がんばって」と期待を込めます。
同支部委員長の坂田茂さん(74)は「歩くだけじゃなくて、商店街で署名もとって、歩くのが得意ではない組合員にも行動に参加してもらおうと企画しました。年金への関心は高い。宣伝すればするほど、反響が大きくなる」と意気軒高です。
生協の店舗前では、かながわ生協労働組合の組合員たちが署名を訴えていました。パート部会の北口明代会長は「二十カ所以上で学習会を開き、店頭で行動を積み重ねてきました。当日は各店舗でいっせいに店頭署名をよびかけ、夕方は新横浜駅での宣伝行動に合流します」。行進者たちは、店長の厚意で生協店舗内で休憩をとりました。
午前中だけや午後だけの人も含め常時五十人以上が横断幕を持ち、ゼッケン姿で行進しました。神奈川土建川崎中原支部主婦の会の仁川富子さん(80)は「建設職人は退職金があるわけじゃないから、年金が『命の綱』。仲間や自分の孫にきちんとした年金制度を残すためにもがんばって歩きます」といいます。
通信労組の内藤フミ子さん(60)は「税金の使い方が間違っているという世論をもっともっと大きくしたい。こうやって行進でアピールし、十五日はストライキで訴えます」と語っていました。
年金行進は、神奈川労連や県社保協などでつくる「二〇〇四年の年金制度の改悪を許さない神奈川連絡会」が主催。年金行進と併せて、周辺自治体への要請行動を旺盛にくり広げてきました。
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全労連・国民春闘共闘委の「年金スト」は十五日、自交総連やJMIU(全日本金属情報機器労組)などの十二単産十一万人以上がストを予定。二十四単産・全都道府県の地方組織の行動を含めて、五十四万人が行動に立ち上がります。県内主要駅でいっせい宣伝(山梨)、繁華街にテントを張って座り込み(富山、熊本)、年金ウオークで商店街や団地のねり歩き(福岡)と多彩な行動を展開します。また、「年金スト」に呼応した国会前座り込みも、午前十一時からおこないます。