日本共産党

2004年4月16日(金)「しんぶん赤旗」

日本人3人無事解放

バグダッドのモスクで

拘束1週間、健康状態良好


 イラクで武装グループの人質になっていた日本人三人が現地時間十五日午後三時三十五分(日本時間午後八時三十五分)、バグダッドのモスクで解放されました。三人の健康状態は良好です。八日夜、武装グループに拘束されたことが分かってからちょうど一週間ぶりの解決となりました。解放の知らせを待ちわびていた家族らは「うれしい」と喜びを爆発させ、「国民と世界の皆さんに応援された」と感謝を表明しました。

 イラク・イスラム聖職者協会幹部がカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」に語ったところによると、三人は犯人グループ側にバグダッドのアルクベイシ・モスクに連れてこられ、同協会側に引き渡されました。上村司・イラク臨時代理大使が三人を保護し、大使館に移送しました。三人は十六日にもイラクから出国する見通し。

 解放された三人は、札幌市西区宮の沢、市民団体代表・今井紀明さん(18)▽東京都杉並区高円寺南、フリージャーナリスト郡山総一郎さん(32)▽北海道千歳市上長都、ボランティア高遠菜穂子さん(34)。関係当局によると、バグダッドに向かう途中、ファルージャ近郊で武装グループに身柄を拘束されたとみられます。

 武装グループは、三人に目隠しをし、銃や刃物を突きつけ監禁。その様子を撮影したビデオと犯行声明を中東の衛星テレビ局アルジャジーラなどに送りつけ、同社は八日午後(同八日夜)にこれを放映しました。

 声明は「サラヤ・アル・ムジャヒディン(戦士旅団)」を名乗り、放送から三日以内にイラクから自衛隊を撤退させるよう要求。応じなければ三人を殺害すると脅しました。これに対し、政府は「自衛隊を撤退させる理由はない」と拒否しました。

 武装グループはアルジャジーラのバグダッド支局に「三人を二十四時間以内に解放する」とする声明をファクスで送付。同社は十日深夜(同十一日未明)、声明内容を報道しました。

 声明は、イスラム聖職者協会の要請を受け、人質を解放するとしていました。三人は期限内に解放されませんでしたが、水面下で交渉が続いていました。

 今井さんは劣化ウラン弾の被害調査、郡山さんは写真取材、高遠さんは戦争孤児を支援するボランティア活動のためイラクに入りました。

「ファルージャの現実を伝えて」

 三人の解放を仲介したイスラム聖職者協会のクベイシ師は、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラのインタビューに答え、米軍が大規模攻撃を続けるファルージャの情勢に関連し、「ファルージャの現実を伝えてほしいと三人にお願いした」とのべました。


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