2004年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】スペイン下院は十六日、三月の総選挙で勝利した社会労働党のサパテロ書記長を過半数の賛成で首相に選出しました。これに先立つ十五日の下院での答弁で、同氏は「国連がイラクの政治的コントロールと軍事的指導を掌握しなければ、イラクに駐留しているスペイン軍は帰国する」「私はその期限を六月三十日とした」と述べました。
国会は組閣承認のために招集されたもので、これによりイラクからの撤兵はスペイン政府の公式の方針となります。
新首相は十五日、「イラク人が主権を回復し、自由で民主的な選挙を組織できるようになることが緊急に必要だ」と強調。「毎日のようにイラク情勢は悪化しており、われわれ全員が望んでいる平和と安定から遠ざかっている」と語りました。
同氏は、新政権は「イラクの民主化と再建」に積極的に関与し続けるとしながら、それは「イラク人抜きでも、イラク人に反してでもない」と言明。国際的な平和と安全保障の義務については「事前の国連決議」を条件にし、「予防戦争と単独行動主義に対しては予防外交と国連憲章の原則尊重を優先させる」としています。
社会労働党は、議席数では過半数の百七十六に届かない百六十四議席ですが、スペイン共産党を中心とする統一左翼(五議席)や、地方で連立を組むカタルーニャ左翼共和派などがサパテロ氏の首相選出に賛成票を投じました。