2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」
武装グループに拘束された日本人の解放に尽力したイラク・イスラム聖職者協会幹部のクベイシ師は十七日午後、同協会事務所で上村司イラク臨時代理大使と面会し、ボランティアの女性など日本人三人が解放された後の川口順子外相の声明に不満を表明しました。その様子が同日夜、NHKで放映されました。
上村臨時大使は、男性二人が保護された直後、同協会事務所でクベイシ師に面会し、「外相から聖職者協会に感謝を示す手紙をもってきました」と述べました。
これに対し、クベイシ師は「日本の(川口)外相の声明をテレビで見ましたが、イラク人や聖職者協会への感謝の気持ちが伝わってきませんでした。わたしたちはイラク人の代表として、そのことを外相に伝えることを望みます」と話しました。
さらに、クベイシ師は「私たちには外相の声明は人質の解放を望んでいないように聞こえました」とも述べました。
また同協会幹部のムサンナ・ハリス・ダリ師も「日本の外相は人質解放後の発言で聖職者協会の名を口にしなかった」と批判しています(日本経済新聞に、十七日付)。
川口外相の人質解放後の会見時には、解放時の聖職者協会施設内での三人とクベイシ師の話し合いの様子などがテレビで放映されていましたが、同外相は「イラクの関係者の尽力」としかいいませんでした。また、聖職者らは、日本の小泉首相が武装組織をテロリストといいすてたことを批判していました。