2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」
「夜間に子どもが急に熱を出しても、財布の中身を気にせず病院に駆け込める」「無料だから早めに診察できて安心」――乳幼児医療費の無料化制度は、子育て世代から切実に求められている施策です。日本共産党は、国民の運動と連携し、乳幼児医療費無料化を国の制度として導入するよう求めて奮闘しています。
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乳幼児医療費への助成制度は、すべての自治体で何らかの形で導入されています。全国保険医団体連合会などの調べによると、小学校就学前まで助成する市町村は二〇〇三年には、「通院」で全市町村の37%、「入院」では63%にのぼっています。(グラフ)
しかし、「無料だったのに、引っ越しをしたら有料になった」という声が出るように、窓口負担の有無や、所得制限、年齢制限など、自治体間で大きな格差があります。こうしたことから、地方議会では、国が責任をもって乳幼児医療費助成制度を創設することを求める意見書が相次いで採択されています。
日本共産党が、乳幼児医療費の助成問題を国会で初めてとりあげたのは一九七一年でした。以来、三十年以上にわたって、自治体での制度拡充と国の制度創設をくりかえし求めてきました。
政府・与党は、こうした要求に背を向ける態度をとりつづけています。厚生省は当初、乳幼児医療費を助成する自治体の数すら把握しようともしませんでした。日本共産党国会議員団は「乳幼児医療費無料化実現プロジェクトチーム」を結成し、制度創設は国の責務だとして粘り強く奮闘してきたのです。
西山とき子参院議員は独自調査もして、二〇〇一年二月二十三日の国会質問(国民生活経済調査会)で、六歳未満までの乳幼児医療費を無料化する国の制度創設には千二十億円(現在では千二百億円)あれば足りることを初めて政府に認めさせました。
同年四月十八日には、はたの君枝参院議員が「課題を先送りせず、乳幼児医療費無料化に踏み出すべきだ」と強く要求しました(国民生活経済調査会)。
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ついに同年六月二十二日、「乳幼児医療費の国庫助成等出産・育児にかかる経済的負担の軽減」を盛りこんだ「少子化対策推進に関する決議」が参院本会議で採択されたのです。参院として、「乳幼児医療費の国庫助成」を政府に求めたことの意義は大きく、全国の運動の広がりに弾みがつきました。
日本共産党は〇二年、〇三年、〇四年と連続して、小学校就学前までの乳幼児医療費の窓口負担を無料とする法案を参院に提出。今年度予算の組み替え動議でも、「乳幼児医療の無料化を国の制度として創設する」ことを強く求めました。党国会議員団には「子どもの命はみんないっしょ。どこでもだれでも安心して医療を受けられる制度をつくって」という声も多数寄せられました。
しかし、小泉自公政権は、国による制度創設を「至難の業」(坂口力厚生労働相)と拒み続けています。窓口での負担減免を行っている自治体への国庫負担金をカットする「減額調整」まで行っているのです。対象自治体は二千二百を超えています。
党無料化実現プロジェクトチームの事務局長・八田ひろ子参院議員は「国が財政的に責任を持つことで、自治体がさらに独自に対象年齢を拡大するなどいっそうの制度拡充にもつながります。住民運動とも連携してさらに奮闘したい」と語っています。