2004年4月18日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米大統領がアフガニスタン侵攻最中の2001年11月に、ラムズフェルド国防長官にイラク攻撃の計画策定を指示していたことが明らかになりました。米紙ワシントン・ポストのボブ・ウッドワード記者が来週発売の新著『攻撃の計画』のなかで暴露しています。CNNなど米報道機関が伝えました。
ホワイトハウスのマクレラン報道官は十六日、この事実を認めました。ブッシュ政権指導部がこれまで弁明していたものとは違うため、波紋を広げそうです。
著書によると、ブッシュ大統領は米軍がアフガン国土の半分を占領した時期の十一月二十一日、ラムズフェルド国防長官を呼びだし、新しいイラク攻撃の計画を立てるよう秘密に指示したといいます。このことは、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)やテネット中央情報局(CIA)長官にも詳細は明らかにされませんでした。
著書はまた、二〇〇二年暮れ、ブッシュ大統領がテネット長官にイラクでの大量破壊兵器の存在について尋ねたところ、同長官が「大丈夫です。スラムダンクです(百パーセント確実)」と答えたことなども紹介しています。イラク侵攻に最も熱心だったのはチェイニー副大統領だったとも指摘しています。
ブッシュ大統領は十三日の記者会見で、二〇〇一年九月十一日の同時多発テロ後は、「アフガニスタンが心の中を占めていた。後々になるまでイラクに焦点をあてることはしなかった」と語るとともに、十一月のラムズフェルド国防長官との会談については「記憶にない」と語りました。しかし、マクレラン大統領報道官は、十一月の会談で大統領が国防長官に戦争計画について指示したことを認めました。
三月末に著書を出したクラーク元大統領特別補佐官(テロ対策担当)は、ブッシュ大統領が同時テロ直後から事件とイラクの関連に固執したと主張。ブッシュ政権側はそのことを否定しています。