2004年4月19日(月)「しんぶん赤旗」
昨年の総選挙を契機に、財界の肝いりで自由党と合併して誕生した民主党と、自民党による保守「二大政党」づくりの動きが急速に進みました。その後、憲法改悪策動、消費税増税、年金改悪など、自民党と民主党が悪政を競い合っている状態です。総選挙から五カ月、保守「二大政党」づくりは、どこまできたのかを検証します。(随時掲載)
三月三十日午前八時。都内のホテルで開かれた「憲法調査推進議員連盟」の総会には、自民党、民主党、公明党の衆参両院議員約百五十人(代理含む)が参加しました。
「自民党は来年、憲法草案をまとめ、民主党、公明党も憲法調査会を発足させている。議連の団結した力で、この国の形を変えられるように、来年の(衆院憲法調査会の)最終報告に万全を期したい」
あいさつに立った同議連の中山太郎会長はこう強調しました。呼応するように、民主党から議連副会長に就任した鹿野道彦衆院議員は「未来に向かって新しい時代を構想する前向きの改憲論を提示する」とのべました。
改憲派議員の中心的組織となった同議連には自民党二百十六人、民主党八十七人、公明党十二人が参加(4面に議連名簿)。自民、民主による改憲の競い合いを象徴しています。
「国の形を変える」―昨年の総選挙で、自民党が「二〇〇五年までに憲法改正草案をまとめる」と公約、民主党も「憲法は不磨の大典ではない」として「創憲」を掲げて以来、改憲の動きはとどまるところを知りません。
自民党は昨年末、党憲法調査会にプロジェクトチームを設置し、各条ごとのたたき台づくりに着手。この夏の参院選前に中間報告を出そうとしています。
民主党も、一月の党大会で菅直人代表が「民主党は日本のあるべき姿を示す新たな憲法を創る『創憲』を主導し、二〇〇六年までに新たな憲法のあり方を国民に示したい」と期限を切った改憲草案づくりを明言しました。
鳩山由紀夫前代表は、個人として年内に改憲草案をまとめることを公言。二月十八日の「新世紀の安全保障を考える若手議員の会」総会では、与野党を超えた動きで一気に改憲にもっていきたいとの意向を示しました。
「超党派のみなさん方が憲法改正に前向きに議論をされることは非常に意味があることだ。長い時間をかけるほど国民に窮屈な議論になるだけに、決めるときには決めていけるよう努力していただきたい」
国会でも、小泉内閣になってから、閣僚や与野党有力議員が公然と改憲を口に出すようになりました。それ以前の内閣では考えられなかった事態です。
通常国会冒頭の代表質問。民主党の菅代表が「新しい憲法をつくることを国民運動として呼びかけた」と提起し、小泉純一郎首相が「国民的議論を喚起して、日本にふさわしい憲法改正案ができればいい」と応じた場面は象徴的でした。
改憲議連に参加するある自民党議員は「憲法改正は遠い将来のことと思っていたら、自民党も憲法改正案をまとめるとか、創憲だ、加憲だと、いろいろ出てきて、そう遠いことでもないだろうと思えてきた」といいます。民主党のある中堅議員は「憲法論議は、たしかに大政翼賛みたいになってしまうイシュー(課題)だから気をつけないといけない」と語ります。
自民、民主、公明の国会議員でつくる改憲派の組織「憲法調査推進議員連盟」の役員と参加議員の名簿はつぎの通りです。(自は自民党、民は民主党、公は公明党)
会長・中山太郎(自)、副会長・上杉光弘、船田元、鳩山邦夫、保岡興治、扇千景(自)、石井一、藤井裕久、鹿野道彦、田名部匡省(民)、赤松正雄(公)、最高名誉顧問・中曽根康弘、最高顧問・羽田孜(民)、海部俊樹(自)、顧問・片山虎之助(自)、鳩山由紀夫(民)、坂口力、神崎武法、太田昭宏(公)、幹事長・野田毅(自)、幹事長代理・町村信孝(自)、事務総長・北沢俊美(民)、事務総長代理・近藤基彦(自)、事務局次長・武見敬三、泉信也(自)、笠浩史、石田勝之(民)、会計・愛知治郎(自)、役員・尾辻秀久、谷川秀善(自)、小川勝也(民)
自民党―(衆院)谷本龍哉、松岡利勝、宮路和明、小島敏男、松本純、麻生太郎、仲村正治、今津寛、小坂憲次、水野賢一、砂田圭佑、河本三郎、大村秀章、土屋品子、平沼赳夫、保利耕輔、伊藤公介、能勢和子、後藤田正純、玉沢徳一郎、桜井郁三、井上信治、斉藤斗志二、中野正志、桜田義孝、八代英太、小池百合子、西村康稔、宮沢洋一、衛藤晟一、逢沢一郎、佐藤錬、長勢甚遠、鈴木淳司、三原朝彦、中馬弘毅、西銘恒三郎、大野功統、葉梨康弘、田中和徳、中川秀直、小林興起、山際大志郎、木村勉、西田猛、嘉数知賢、小里貞利、谷津義男、今井宏、亀井久興、松宮勲、増田敏男、平沢勝栄、村田吉隆、安倍晋三、森岡正宏、福田康夫、松島みどり、塩崎恭久、中西一善、三ツ矢憲生、亀井静香、林幹雄、後藤茂之、野田聖子、堀内光雄、柳本卓治、島村宜伸、宇野治、萩野浩基、谷畑孝、萩山教厳、村上誠一郎、石原伸晃、西野あきら、増原義剛、河野太郎、河村建夫、谷川弥一、三ツ林隆志、浜田靖一、植竹繁雄、二階俊博、金田英行、西村明宏、自見庄三郎、綿貫民輔、田中英夫、野呂田芳成、山口俊一、尾身幸次、保坂武、森喜朗、宮腰光寛、熊代昭彦、橘康太郎、松下忠洋、北川知克、小西理、木村義雄、滝実、小野晋也、下村博文、藤井孝男、岡本芳郎、佐藤勉、金子恭之、上川陽子、原田令嗣、坂本剛二、奥野信亮、武部勤、渡辺喜美、棚橋泰文、西川公也、岩永峯一、伊藤達也、古屋圭司、山本明彦、岩屋毅、中野清、石破茂、笹川尭、村井仁、甘利明、梶山弘志、津島恭一、菅義偉、額賀福志郎、井上喜一、今村雅弘、亀井善之、伊吹文明、衛藤征士郎、竹下亘、大野松茂、左藤章、原田義昭、佐藤剛男、北村誠吾、蓮実進、渡辺具能、菅原一秀、茂木敏充、津島雄二、中山成彬、早川忠孝、小此木八郎、中谷元、山口泰明、(参院)魚住汎英、中原爽、河本英典、舛添要一、泉信也、岩井国臣、久世公尭、北岡秀二、松村龍二、福島啓史郎、鶴保庸介、山崎力、森元恒雄、中島啓雄、佐藤泰三、岩永浩美、太田豊秋、世耕弘成、竹山裕、中川義雄、入沢肇、仲道俊哉、関谷勝嗣、常田享詳、保坂三蔵、椎名一保、荒井正吾、清水嘉与子、吉村剛太郎、大島慶久、青木幹雄、吉田博美、山本一太、月原茂皓、阿部正俊、山下英利、中曽根弘文、森田次夫、若林正俊、亀井郁夫、中島真人、金田勝年、加藤紀文、藤野公孝、野間赳、狩野安、三浦一水、清水達雄、松谷蒼一郎、林芳正
民主党―(衆院)原口一博、松崎公昭、楠田大蔵、加藤尚彦、鈴木康友、大谷信盛、樽床伸二、中川正春、牧義夫、武山百合子、田中慶秋、野田佳彦、岡田克也、市村浩一郎、北橋健治、玄葉光一郎、前原誠司、小沢一郎、小宮山泰子、鈴木克昌、伴野豊、岡本充功、園田康博、奥田建、岩国哲人、梶原康弘、中村哲治、中塚一宏、神風英男、室井邦彦、高山智司、小泉俊明、大島敦、武正公一、木下厚、藤村修、渡辺周、平野博文、前田雄吉、平岡秀夫、近藤昭一、西村真悟、田島一成、中野寛成、高木義明、川端達夫、大石尚子、小林憲司、中根康浩、菊田まきこ、中山義活、城井崇、川内博史、玉置一弥、中津川博郷、長妻昭、鮫島宗明、長島昭久、計屋圭宏、米沢隆、城島正光、(参院)長谷川清、若林秀樹、平野貞夫、本田良一、木俣佳丈、簗瀬進、広中和歌子、田村秀昭、小林元、和田ひろ子、大江康弘、佐藤道夫、今泉昭、鈴木寛、渡辺秀央、直嶋正行
公明党―斉藤鉄夫、東順治、漆原良夫、荒木清寛、続訓弘、白浜一良、木庭健太郎、渡辺孝男
グループ改革―坂本哲志、川上義博
自民、民主両党議員による「教育基本法改正促進委員会」の役員はつぎの通り。
最高顧問・森喜朗(自)、西岡武夫(民)、顧問・中山太郎、鳩山邦夫、島村宜伸、平沼赳夫、与謝野馨、麻生太郎、町村信孝、中川昭一、鴻池祥肇、中曽根弘文(以上、自)、中井洽、鳩山由紀夫(以上、民)
委員長・亀井郁夫(自)、委員長代理・下村博文(自)、副委員長・古屋圭司、衛藤晟一、小此木八郎、小野晋也、今津寛、岩永峯一、小島敏男、桜田義孝、平沢勝栄、大野松茂、渡辺博道、太田豊秋、泉信也、大野つや子、加藤紀文、常田享詳、橋本聖子、保坂三蔵(以上、自)、西村真悟、中山義活、渡辺周、田村秀昭、羽田雄一郎(以上、民)、理事・石崎岳、金子恭之、中野正志、西川京子、能勢和子、松宮勲、森岡正宏、大前繁雄、城内実、西村康稔、萩生田光一、後藤博子、中川義雄、仲道俊哉、福島啓史郎、松山政司(以上、自)、小泉俊明、小林憲司、伴野豊、前田雄吉、牧義夫、小宮山泰子、浅尾慶一郎、海野徹、大江康弘、森ゆうこ(以上、民)、事務局長・岩屋毅(自)、事務局長代理・松原仁(民)、事務局次長・古川禎久、西村康稔、有村治子(以上、自)、笠浩史、森ゆうこ(以上、民)