日本共産党

2004年4月20日(火)「しんぶん赤旗」

早期にイラク撤兵

スペイン新首相

「国防相に指示した」


 【パリ=浅田信幸】前日組閣を終えたばかりのスペインのサパテロ新首相は十八日、アスナール前政権が派遣したイラク駐留スペイン軍を「できるだけ短期間のうちに帰国させる」ようボノ国防相に指示しました。首相府からのテレビ演説で明らかにしました。

 マドリードからの報道によると、同首相は「けさ宣誓を終えた国防相に対し、できるだけ短期間のうちに、最大の安全を確保しつつ、軍を帰国させるために必要な措置をとるよう指示した」と述べました。

 その理由として「手元の情報によると、われわれがイラク駐留の条件として求めてきた内容を満たす国連決議が採択される見通しはない」ことをあげました。

 サパテロ氏は社会労働党が三月十四日の総選挙で勝利した直後から、イラクへの「主権移譲」の期限とされる六月三十日までに米国に代わって国連が軍の指揮権を含め全責任を負うという「条件の変化」がない限り、スペイン軍を撤退させると主張してきました。

 また、イラクで占領に反対する動きが拡大しており、もしスペイン兵が武装勢力の人質にされた場合、撤退問題が複雑化すると判断し、決定を急いだものとみられます。

 今月初めには、国防相就任が決まっていたボノ氏をワシントンに派遣し、ラムズフェルド米国防長官との会談で米国の意向を探りました。

 モラティノス新外相は二十一日、ワシントンでパウエル米国務長官と会談の予定です。撤退後のイラク再建へのスペインの関与計画などが話し合われるもようです。スペインは現在、イラク中南部のディワニヤに千三百人弱、ナジャフに百五十人など計千四百三十二人の部隊を駐留させています。


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