日本共産党

2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」

「共産」という日本語は?


 〈問い〉 「共産」という日本語は、いつ、誰によって使用されるようになったのですか。日本共産党が、それを名称に採用した経緯や意義はどこにあったのですか? (東京・一読者)

 〈答え〉 「共産」という言葉は、明治時代のはじめに、コミュニズムという言葉の日本語訳として紹介されたことがきっかけで、使われるようになりました。

 コミュニズムの語源は、「共同」「共通」「共有」などを意味するラテン語のコムニース(Communis)です。科学的社会主義の創始者であるマルクスやエンゲルスは、人類の理想社会―生産手段の社会化を基礎に生産者が主役となる社会、搾取も抑圧も戦争もない、自由で平等な共同社会を展望し、それをめざす運動をコミュニズムとよびました。日本で“コミュニズム”という思想が紹介されるようになったのは、明治初期の一八七〇年ころです。

 ところが、初期には、欧米の文物に接した知識人、啓蒙思想家がその担い手だったことから、科学的社会主義本来の思想としてではなく、“財産の否定”=財産共有を特徴とする危険思想と紹介されました。日清戦争(一八九四〜五年)後、本格的展開をみせるようになった労働組合運動や社会主義運動のなかで、共産主義がマルクス、エンゲルスの学説と一体に受け入れられるようになり、『共産党宣言』(一九〇四年)や『空想から科学へ』(同六年)も翻訳されました。未来の共同社会を目標とする政党として誕生した日本共産党も、その名前を掲げることになりました。

 創立以来82年、日本共産党は一つの党名を貫いてきました。そこには、戦前の暗黒時代に民主主義と平和のために不屈にたたかいぬいた歴史が書きこまれていると同時に、21世紀に生きる政党としての誇りある未来社会への理想が刻みこまれています。私たちはいま、この党名を高くかかげ、第23回党大会で新しく決めた綱領が明らかにした未来社会への展望を、広範な国民のものにするために力をつくしています。(

 〔2004・4・21(水)〕


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