2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の高橋千鶴子議員が二十日の衆院本会議で行った代表質問は以下のとおりです。
私は日本共産党を代表し、無事解放された人質の皆さんとご家族の皆さんに心からお喜び申しあげます。政府のイラク報告に関して質問します。
いまイラク全土で占領軍とイラク国民の衝突がひろがっています。この、きわめて深刻な事態をつくりだしているのは、米軍によるイラク国民にたいする鎮圧・掃討作戦ではないでしょうか。ファルージャでは、米軍が町を包囲し、クラスター爆弾まで使用し、モスクを空爆し、六百人以上の生命を奪いました。罪のない市民、女性や子どもたち、そして老人が犠牲になっているのです。
小泉総理は、治安悪化の原因が「一部の武装勢力」にあるかのようにいいますが、米英による国際法違反の侵略戦争と不法な占領支配の下で、国際人道法にも違反する、無差別の殺りく行為が、イラクの広範な人々の怒りをよんでいるのではありませんか。米国政府は、米兵を二万人増強して、抵抗勢力を「せん滅」し、力で抑え込もうとしていますが、これでは事態は沈静化するどころか、いっそうの流血と憎悪の悪循環におちいるのではないでしょうか。
小泉内閣は、アメリカに無差別の殺りく行為の中止をもとめるべきではありませんか、答弁をもとめます。
こうしたなかで、イラクに軍隊を派兵しているスペインのサパテロ首相は十八日、千三百名の部隊をできるだけ早く撤退させるよう命じました。今日は、ホンジュラスも撤退を表明しました。さらにポーランド、ウクライナ、ポルトガルなど、米国のイラク占領体制を支えてきた「有志連合」の国々が、米軍の「掃討作戦」を批判し、米軍の作戦行動に距離をおく姿勢をつよめ、軍隊撤退をも検討しはじめていることを、政府はどう受けとめていますか。
この状況のもとでもなお、自衛隊のイラク派兵に固執する理由はなんでしょうか。小泉総理は「自衛隊は人道支援のため」と強調しますが、今回、日本人の人質解放に努力していただいた、イスラム聖職者たちは、「人道復興支援であっても外国軍隊はいらない」と繰り返しのべています。いまこそ自衛隊の撤退を真剣に検討すべきではありませんか。
自衛隊が撤退してこそ、日本がイラク国民の信頼のもとに、イラクの平和と真の人道復興に貢献する道が開かれるということを申しあげ、質問をおわります。