日本共産党

2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」

米大統領がスペイン批判

撤兵に動揺隠せず

イラク大使に現国連大使


 【ワシントン=遠藤誠二】ブッシュ米大統領は十九日、選挙公約通りイラクからの部隊撤退に着手したスペインのサパテロ首相に電話で遺憾の意を表明。同大統領はまた、遊説先でスペイン政府の行為をテロに屈するものだと批判しました。

 ホワイトハウスのマクレラン報道官は十九日、ブッシュ大統領はサパテロ首相に、「イラク解放の敵であるテロリストをよろこばせるような誤った行動を、将来おこなわないよう注意深く考慮することを主張した」と述べ、撤退について不快感を表したことを明らかにしました。

 ブッシュ大統領は同日、訪問先のペンシルベニア州で演説し、「テロリストは、暴力的手段を用いて選挙を混乱させ恐怖を広げた」、しかし「彼らは、われわれの意思を揺るがすことはできない。彼らは米国の意思を揺るがさない」と述べ、たとえ秋の大統領選挙でテロが起きたとしても、スペインの二の舞いにはならないと強調しました。

 イラク侵攻・占領で主要な支援国だったスペインのイラク撤退について、米政権指導部は当初、「驚くことでない」(ライス大統領補佐官)と冷静さを装っていましたが、この日のブッシュ大統領の言動は、自国のイラク占領政策が矛盾を深めるなか、スペインに続く「離脱国」を出さないための行動とみられます。

 ブッシュ大統領は同日、六月末に予定されているイラクへの主権移譲後、連合国暫定当局(CPA)のブレマー代表の後任となる駐イラク大使にネグロポンテ国連大使を指名することを明らかにしました。

 ネグロポンテ大使は、昨年、安保理でイラク侵攻をめぐる決議採択を強引に進めようとした人物です。


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