2004年4月23日(金)「しんぶん赤旗」
二十二日の衆院厚生労働委員会は年金改悪法案の参考人質疑を行いました。年金実務センターの公文昭夫代表は、政府案に盛り込まれた保険料連続引き上げについて「年金制度の空洞化を加速させ、制度崩壊を促進する」とのべました。
高山憲之・一橋大経済研究所教授は「政府案では、企業は厳しいリストラを強行せざるをえなくなり、若者が労働力市場から締め出される。手取り所得は伸び悩み、消費支出も低迷し経済成長が阻害される」とのべました。
日本共産党の山口富男議員が「年金財源に消費税を入れるのは問題ではないか」と質問したのにたいし、公文氏は「消費税は社会保障の応能負担の原則に反する不公平な制度であり、社会保障に使うべきではない」と答えました。
一方、日本経団連の矢野弘典専務理事は、「企業の社会保障負担は限界」とのべ「幅広く薄く負担する消費税をとり入れることが必要」と主張。
山口氏が、年金の支え手を増やすために、正規職員を増やす政策への転換が必要だとただしたのにたいし、連合の笹森清会長は「同感だ。正規職員を増やすワークシェアリング(仕事の分かち合い)、均等待遇が必要だ」とのべました。
大型連休前に年金改悪法案の衆院通過を狙う与党側は二十二日、衆院厚生労働委員会の理事会で「二十三日にも委員会で採決したい」と提案しました。
これに野党側は強く反対し、徹底審議を求めるとともに、日歯(日本歯科医師会)の贈収賄事件などで参考人招致を要求。協議の結果、与党側は二十三日の採決日程の提案を取り下げ、同日は法案審議を続けることになりました。