2004年4月23日(金)「しんぶん赤旗」
【ハノイ=北原俊文】マレーシアからの報道によると、同国の行政首都プトラジャヤで二十二日、イスラム諸国会議機構(OIC)の特別会合が開かれ、米国とイスラエルが中東和平ロードマップ(行程表)を順守するよう求めたパレスチナに関する宣言と、イラク国民が自決の権利を行使することの重要性をうたった宣言を発表しました。
会議は中東、イラク情勢が緊迫しているなかで、緊急に開かれたものです。
パレスチナに関する宣言は、イスラエルのガザからの撤退とヨルダン川西岸入植地の強化という一方的計画とそれへの米国の支持を「パレスチナ人の譲ることのできない権利を否定しており、中東和平の過程に有害である」と非難し、米国に対して「ロードマップの目的に対して非生産的な最近の立場」を見直すよう求めました。
同宣言はまた、国連安保理に対し、「国連平和維持軍(PKF)か、中東和平のロードマップの実施を監視する国際監視機関の派遣を検討する」よう求めました。
一方、イラクに関する宣言は、六月三十日のイラクへの主権譲渡の期限を歓迎し、問題解決にあたっての国連の中心的役割を強調し、イラクの主権と独立の回復に役立つ国連安保理決議の採択を求めました。また、その安保理決議が国連に必要な任務と権限を与えるよう求めました。
同宣言は、「イラク国民が、自由で公正な選挙を通じた自決の権利を含め、合法的権利を行使することを通じて、イラクの平和、安全、安定が確保、保障されうる」と強調しました。
イスラム諸国会議機構(OIC) イスラム諸国五十六カ国とパレスチナ解放機構(PLO)で構成された国際機構。一九七一年に発足。翌七二年に「OIC憲章」を採択しました。イスラム諸国間の連帯の推進や国際政治での共通の立場の模索、政治、経済、社会、文化など、各分野での協力の推進を目的としています。憲章は、紛争解決のための「武力使用の放棄」「主権と独立、領土保全の尊重」を明記、国連憲章の精神を受け継いでいます。