2004年4月23日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク中部ファルージャで二十一日朝から始まった米海兵隊と武装勢力の戦闘は四時間におよび、イラク人の死者は三十六人に上りました。米軍側にも三人の負傷者が出ました。同地では十九日に米軍と地元代表との間で完全停戦にむけた一環として緊張緩和措置を取ることで合意していましたが、二十一日の戦闘再燃で、停戦は事実上崩壊状態です。
二十一日の米軍の攻撃は戦車や武装ヘリコプターも動員した激しいもの。カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは現地特派員の話として、空爆で同地の四つ民家が破壊されたと伝えました。
ファルージャでは人口約二十万の三分の一が避難生活を強いられています。緊張緩和措置が十九日合意された後、二十日には、ファルージャ市外に避難していた住民五十家族が米軍によって帰宅を許されましたが、戦闘激化の二十一日実際に戻ったのは七家族だけ。
イラクのイスラム教スンニ派指導者の組織、イラク・イスラム聖職者協会は二十一日、「米国の目的はファルージャを侵略し制圧することだ」と厳しく非難しました。
一方、二十一日朝にバスラの警察署付近で発生した連続爆破事件では、病院に運ばれた負傷者のうち五人が同日中に死亡し、イラク人死者の総数は七十三人に達しました。
イラクに駐留する英国軍のカーター報道官は二十二日、この事件を国際テロ組織アルカイダの犯行だと断定するには早すぎると述べました。