2004年4月24日(土)「しんぶん赤旗」
東京大学の教職員有志は二十三日、イラクでの日本人人質事件に関して、人質になった五人と家族への「いわれのない非難・中傷を直ちに中止するよう」求める緊急アピールを発表しました。アピールはまた五人と家族に「ねぎらいと激励の言葉を」と訴えています。同日、東京大学内で会見しました。
呼びかけたのは、同大学の小野塚知二、小森陽一、醍醐聰、野村剛史、横山伊徳、市野川容孝、山田広昭の七氏。二十一日からのとりくみで、同大の教職員と全国の大学関係者から三百五十人を超える賛同とメッセージが寄せられました。
会見で、呼びかけ人の醍醐教授は、家族らへの非難について「国に救いを求めるものは、お上にたてつくことを許さないという論調は、恐ろしい。今後も、大学人としても一市民としても発言していく」と話しています。横山教授は「『自己責任』論は、自衛隊派兵が持っている政治的意味に関心を向けさせないための政治的プロパガンダだ」と批判しました。
アピールとメッセージは、政府機関、マスコミに伝えるとともに、人質になった五人と家族に届けたいと説明しています。今後、さらに全国にとりくみを広げていきたいとしています。