2004年4月25日(日)「しんぶん赤旗」
国外販売が目的のCDやカセットテープなどが国内に還流するのを防ぐ著作権法改正案が二十一日の参院本会議で全会一致で可決されました。
二十日の参院文教科学委員会で日本共産党の林紀子議員は、音楽家の権利を守り音楽文化の発展のため著作権法の充実を求めるとともに、懸念される点をただしました。
改正案は、(1)音楽レコード(CDなど)の環流防止措置の新設(2)書籍・雑誌の貸与権(無断で貸与されない権利)の付与(3)罰則強化―が柱。
海外での普及を目的に許可をえて国内と同じCDを海外で製作することが認められていますが、国産品よりも安価なため逆輸入され、音楽家の権利が侵されています。レコード環流防止措置はそれを防止するもので六十五カ国が実施。音楽家や実演家、レコード協会が実施を求めていました。
林氏が「洋楽盤までが輸入禁止になるのではないか」と質問したのにたいし河村建夫文部科学相は、「今回の措置の対象ではない」と答弁。還流が著作者の権利を侵害し音楽文化を衰退させかねないとのべました。
また、業者が輸入を差し控え洋楽盤の値上がりにつながるのではないかとの指摘には、文化庁の素川富司次長が「個々の値上げとはリンクしない。(洋盤輸入は)従来どおり」と答えました。