2004年4月27日(火)「しんぶん赤旗」
政府の年金改悪案をめぐって与党側は二十六日、野党側に対し二十八日に採決を行うことを通告しました。与党側は単独でも委員会での強行採決を辞さない構えで、緊迫した情勢となっています。
同日の衆院厚生労働委員会理事会で与党側は二十七日の質疑と採決を提案しました。野党側は、坂口力厚労相が二十三日の同委で提出を約束した閣僚の国民年金保険料納付状況の資料が理事会に提出されなかったことから日程協議には応じられないと反対。自民、民主両党の筆頭理事が閣僚の資料提出や日程について協議するなかで自民党理事が二十八日の委員会開催と採決を提案しました。
審議は三十時間足らずしか行われていません。わずかな審議を通じても保険料の連続値上げが年金の空洞化をひどくすることなど問題点が噴出。世論調査でも反対が多数です。これまでの年金法案の審議で行われてきた公聴会も開かず、十分な審議を尽くさずに強行しようとしています。
また、長年にわたって国民に負担増と給付減を強いる法案を提案する立場の政府三閣僚が、国民年金保険料を納めていなかった問題が発覚し、小泉内閣に法案提出の資格がないことが浮かび上がっています。
日本共産党の山口富男議員は理事会で、苦しい生活のなかから国民年金保険料を納めてきた国民から怒りのメールが寄せられていることを紹介。閣僚の納付状況の資料は坂口厚労相が「月曜日(二十六日)には何とか提出できるようにしたい」と国民に約束したもので、委員会で報告するのが筋だと主張しました。
また、自民、民主両筆頭理事間の非公式な場で採決の話が出たのは遺憾だとして反対を表明。「野党の質問時間はわずか十一時間で、審議は尽くされていない」とのべ、徹底審議を主張しました。
国民年金保険料<現行>月額1万3300円⇒1万6900円<2017年度>
厚生年金保険料<現行>年収の13.58%(労使折半)⇒18.3%<2017年度>
――国民年金保険料の未納がいまでも1千万人、連続負担増でもっと深刻に
――月額2万、3万円という国民年金の低額給付も引き下げの対象となる
――2007年度を目途に「消費税を含む抜本的税制改革を実現する」(与党税制大綱)