2004年4月28日(水)「しんぶん赤旗」
|
陸上自衛隊が駐留するイラク南部サマワなどで、フランスのNGO(非政府組織)が、日本外務省の資金協力による給水活動を早ければ来月から始めます。給水対象は六万人。陸自がサマワで実施している給水活動の目標一万六千人を大きく上回ります。費用は約三千九百万円。自衛隊のイラク派兵経費四百三億円のわずか千分の一です。
外務省によると、給水活動をするNGOは、フランスのアクテッド(ACTED)。アクテッドの要請に基づき、二十日に無償資金協力を決めました。
日本の資金で計画のすべてをまかないます。費用の中心は給水車両三十五台のレンタル料(六カ月分)。ムサンナ州に三つある浄水施設のうち新ルメイサ浄水場から、サマワ市南部とムサンナ州郊外の住民を対象に給水します。給水作業は現地のイラク人を雇用して実施し、フランス人スタッフは現地に置きません。
給水量は一日あたり六百―七百トンの計画で、陸自の給水能力八十トンの約八倍にあたります。給水対象六万人にたいし、一人あたり約十gの計算。陸自の目標一万六千人は一人あたり五gで計算したもので、この基準でいえば、十二万―十四万人分にあたります。防衛庁が見込んでいるサマワでの給水需要九万人を大きく上回るものです。
外務省は、この資金協力について、イラク復興支援の一環と説明しています。自衛隊派兵の論拠が改めて問われます。