2004年4月28日(水)「しんぶん赤旗」
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イラクで一時人質となったジャーナリストの安田純平さん(30)と非政府組織(NGO)活動家の渡辺修孝さん(36)が二十七日、東京都内の外国特派員協会で記者会見しました。二人は、一連の事件で、「自己責任」などとの批判が起こったことについて、「イラクで今、何が起きているかに焦点が向かなかったのが残念だった」(安田さん)と語りました。
「人質の三人を心配しているのは分かるが、ファルージャで何百人殺されたか知っているか?」
安田さんは、日本人三人が人質になった時、バグダッド市民がこう述べていたことを紹介し、事件の背景に米軍のファルージャ掃討作戦があると考えて、取材に向かったと説明しました。また二人を拘束したイラク人について「米国に対抗する人々をテロリスト、サダムの残党と言う人もいるが、彼らはレジスタンス(抵抗運動)をやっている地元の住民だった」と語りました。
「自己責任だ」と人質を批判する日本の一部メディアについて、渡辺さんは、「政府のコントロールを受けていると思う」と批判。人質の命を助けたいとの思いで、家族が自衛隊の撤兵を政府に求めたのは「おかしいとは思わない」と述べ、「五人が人質となった時、政府が何をしていたか知れば、国民の認識も変わっていく。もっと知らせたい」と語りました。
また、サマワの自衛隊の幹部が、地元の要人に会いに行く場合、要人宅では、装甲車の上で機関銃を構えた自衛隊員が周辺を取り囲んでいると紹介。イラクの人々が「(自衛隊は)米軍と同じスタイルでやっているとみるのは当然だ」と語りました。