2004年4月29日(木)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 近くの公共スポーツ施設が、「指定管理者」制度で管理業務を株式会社などの民間業者に代行するそうですが、公共性は保てるのでしょうか。日本共産党はどう考えていますか?(神奈川・男性)
〈答え〉 昨年六月の地方自治法第二四四条第二項の改正で、「公の施設」の管理者規定がこれまでの「委託」方式から「指定管理者」制度に改められました。公共スポーツ施設などの管理を「法人その他の団体」に委託できるようにするものです。
委託対象は、株式会社などの営利法人からNPO、自治会などの市民団体など広くなっていますが、一番のねらいは営利法人への委託にあり、公共施設の民営化に道を開くものです。
執行には、各自治体が定める施設条例の「改正」が必要ですが、日本共産党の各議員団では、これに分析的な態度でのぞむことにしています。
たとえば、「横浜市地区センター条例」改正では、日本共産党市議団は、「指定管理者」が無規定・無基準で、公の施設の「公共性」が確保できる保証がないという点で反対しました。
一方、東京・江戸川区の総合体育館などは昨年十一月、「業務の効率化とサービス向上」のためと、「委託会社」を募集し、営利法人を指定しました。これは、施設条例の改正をしないまま「指定管理者」制度を先取りしたものです。こうした民営化路線が「一人歩き」し、議会や住民が知らないうちに管理者が入れ替わるという問題が大阪などでも起きています。
施設条例の改正に際しては、地方自治法二四四条一項の「公共性」の規定や憲法・教育基本法に明記された規定と原則の確認が「公共性」を堅持する最大の保障です。論議では、「指定管理者」の業務内容や財政が「公共性」を堅持しているか否かをチェックする第三者の管理運営委員会や利用者会議の設置をはかるなど、施設条例の管理規定を、より民主的なものに充実させる機会にしていくことが大切だと考えます。(鳥)
〔2004・4・29(木)〕