2004年4月29日(木)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】スペインのサパテロ首相は二十七日の下院での答弁で、グリニッジ標準時で同日午後二時(日本時間午後九時)現在、「(占領軍の任務についている)スペイン部隊は一人もイラクに残っていない」と宣言しました。駐留していたナジャフからの撤収は同日完了しました。
同首相は、イラク駐留部隊について「イラクにいくべきではなかったし、それゆえにこそできるだけ早く戻すべきだ」と言明しました。また一カ月後の「五月二十七日には、イラクにスペイン兵は一人もいないだろう。全員が国に戻っているか、公海上にあってスペインに向かっているだろう」と述べました。
首相は、撤退決定の理由として、イラクへの主権移譲で国連が中心的役割を果たす新たな安保理決議の可能性がないとの見解を改めて指摘。「明確な展望がない」もとでイラク駐留を継続することは「避けるべき危険を深める」ものであり、「駐留を延長することは危険を高めるだけ」だと強調しました。さらにアスナール前政権が昨年三月、イラク戦争に派兵を決定した際には、「与党を除くすべての議員団が、不法かつ不当だと確信してイラク派兵に反対した」と指摘。国会での論議も行わずに派兵を強行した前政権の姿勢を批判しました。