日本共産党

2004年4月30日(金)「しんぶん赤旗」

イラク問題解決へ安保理新決議案

仏独スペインが提案へ

国連中心と主権早期移譲


 【ベルリン=片岡正明】スペインのサパテロ首相とドイツのシュレーダー首相は二十八日、ベルリンで会談し、仏独スペイン三カ国がイラク問題解決へ向けた共同の国連安保理新決議を提案することで合意しました。

 新決議案は「欧州イニシアチブ」として他の欧州諸国にも参加を呼びかけていきます。仏独はイラク問題で国連中心の解決と主権の早期移譲をこれまで一貫して主張しており、新決議案も国連中心主義が盛り込まれる方向です。

 会談後の共同記者会見で、サパテロ首相は「イラクへの主権の移譲を一刻も早く実現することが目的」であり、「欧州イニシアチブ」を現在、他の欧州諸国にも呼びかけ調整中であり、米国とも対話を進めていることを明らかにしました。同首相は「われわれはイラク戦争に一貫して反対し、政権交代後に撤退を決めたが、イラクには政治的に関与する」と強調しました。

 シュレーダー首相は「重要なのはブラヒミ国連事務総長特別顧問の提案を支持することだ」と表明し、「スペインの新政権が新たなダイナミズムを与えた」と評価しました。

 サパテロ首相は「欧州イニシアチブ」の内容を「一方的なものは意味がない。対話の中でつくりあげる」と練り上げていく段階であることを指摘。サパテロ首相は二十九日、フランスでシラク仏大統領と会談の予定で、さらに同イニシアチブを具体化します。シュレーダー首相は「仏独スペインの三国首脳会談の可能性はある」と語り、イラク問題では英国のブレア首相が米国よりの姿勢のままなのに対し、仏独スペインの三国が欧州の軸となって進めていく構えを示しました。

 また、欧州憲法問題では両首相はアイルランドが議長国の六月末までにまとめあげることは可能だと指摘。サパテロ首相は「欧州の進歩はスペインの重要な外交の要素である」と語り、問題となっている閣僚理事会の意思決定方式でも加盟国の数と人口を考慮した二重決定方式に反対しないと表明しました。


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