2004年4月30日(金)「しんぶん赤旗」
「いまファルージャでおこなわれていることはあまりにひどい。動くものはなんでも米軍の標的とされる」。イラクの子どもたちへの医療支援にとりくんできたイラク子ども基金の細井明美さんは二十九日、「安保体制打破 新劇人会議」が東京・新宿区で開いたメーデー前昼祭で、アメリカのイラク侵略戦争や占領の実情をくわしく報告しました。
この一年間に二回、イラクを訪れ、二十一日に日本に戻った細井さんは、クラスター爆弾、劣化ウラン弾などの被害に「民衆の目から見れば、武装勢力は米軍であり、テロリストといわれて撃ち殺され、足げにされていたのは民衆だった」とのべました。
小児がんの子どもや占領下バグダッドのスライドなどを使って、交友のあった高遠菜穂子さんのイラクでの活動も紹介。「高遠さんの地道な活動に助けられた。人と人とのつながりがボランティア」とボランティアによる支援活動の大切さを訴え、政府・与党の「自己責任」論を批判し、「国民の命をおびやかすような政府はいらない。自衛隊も撤退させるべきだ」と強調しました。
青年劇場、俳優座、前進座、劇団風の子などの演劇関係者や日本平和委員会、原水爆禁止日本協議会のメンバー約八十人が参加。平和への願いをこめ、青年たちが構成劇「どうして? 子どもたちから見た戦争」や、アラブの楽器カーヌーン(琴)で民族音楽を上演し、イラクからの自衛隊撤退をアピールしました。