日本共産党

2004年5月1日(土)「しんぶん赤旗」

ゆっくり休むことがなぜできない?


 〈問い〉 レジャーに出かけたいが、私の職場では五月の連休もわずかしか休めません。フランスやドイツで年五、六週間の休暇をとれると聞いている。この違いはどこからきているのでしょうか?(東京・一読者)

 〈答え〉 ゴールデンウイークくらい、ゆっくり休んで英気を養いたい。しかし、この願いとは逆に、年次有給休暇の取得日数は02年で、8・8日、取得率は48・4%にすぎず、95年以来、下がり続けています。

 「有給休暇が取得しにくい理由」の調査では、1位が「休みの間仕事を引き継いでくれる人がいない」、2番目が「仕事の量が多すぎて、休んでいる余裕がない」となっています。

 背景には、多くの大企業が高い出勤率を前提にした生産計画を組んでいることがあります。

 日本の休暇は、欧州と比べて、きわめて貧弱です。

 欧州では、年休はドイツ31日、フランス25日、イギリス24日で、連続休暇が常識です。休暇は全部取ることが当たり前なので、日本のような取得率という概念自体がありません。

 ILO(国際労働機関)条約(第132号)でも、休暇は最低3週間とし、2週間は連続休暇を付与すること、病気を休暇に含めてはならないと定めていますが、日本政府は、ILO条約の中で労働時間に関するものは何一つ批准していません。

 フランスでは、労働者階級がゼネストをふくむ一九三六年の大運動で、賃金・労働時間・有給休暇から団体協約の権利にいたる画期的な改革をかちとります。ところが、そのころの日本は中国への全面的な侵略を開始する時期にあたり、国民には無権利と長時間労働が強いられていました。こういう違いの積み重ねが、今日、欧米との差に現れているのです。

 日本共産党は創立以来、「8時間労働制の実施」を掲げ、今度改正した綱領では「労働時間の抜本的な短縮」を「社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす」ものとしてきわめて重視して位置づけています。(

 〔2004・5・1(土)〕


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