2004年5月3日(月)「しんぶん赤旗」
青年たちは、戦争の放棄を決めた憲法九条を変えることに「賛成」か、「反対」か――。東京・JR渋谷駅のハチ公前で五十人に、九条を見せて読んでもらいました。九条を知らない人も、読んだことがない人も、九条を変えることに「反対」の人が七割にも。おおくの青年たちが、平和を求めていました。
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千葉県八街市のフリーター中島あさみさん(22)は、九条を読んで「中学のときに習った」。「戦争はやっちゃダメ。戦争放棄は変えないほうがいい」と。イラク派兵は「復興支援に行ったのなら分かるけど撤退すべきかどうか複雑」。もっと考えることにしています。
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後藤綾子さん(19)=写真左=は、イラク戦争が始まったときや自衛隊をイラクに派兵したとき、どう考えたらいいのか、友人と深夜まで語ったといいます。いま、山口真委さん(19)=写真右=と一緒に「アメリカが(派兵を)要請しているからしょうがない。でも、自衛隊はイラクになにをしにいっているのか分からない」と思案中。
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五月三日が何の日か、九条も知らなかった愛子さん。九条を読んでもらって「戦争はしないほうがいい」。九条を変えることにも「反対」です。健司さんが「憲法は古いから変えないと。自衛隊は国を守るためにいる」。それでも愛子さんは「自衛隊がイラクへいったら殺されちゃう。反対」。話し合いが続きました。
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五月三日が何の記念日か分からなかった高校二年生の山本英幸さん(16)。九条の内容を知って「武器を持っちゃうと戦争になっちゃう。外交で話し合いでできるならそのほうがいい」と、憲法九条を変えることに反対します。
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好評の『おくにことばで憲法を』(朗読CD付き、新日本出版社)の著・監修者大原穣子(おおはら・じょうこ)さんからのメッセージ 青年も、多くの人も憲法があることは知っています。でも、何が書かれているのかは知られていません。知るということは一歩踏み出すこと。九条や、どこでもいい。読んでみることにつきます。すると、憲法がいかに守られていないかが分かる。そして、ロックでもいい。ラップでもいい。若者の言葉で憲法を表現してみてください。
取材に初めて挑戦。インタビューする前には不安がありました。今のマスメディアの状況では「憲法を変えるのは、しょうがないんじゃないか」などの答えが多いのでは、と考えていたからです。そんな心配は、すぐに吹き飛びました。
「戦争はダメ」「平和がいい」と当たり前のようにみんな話します。こんなにストレートな答えが返ってくるとは思っていませんでした。
ただ、憲法問題を「知っている」と答えた人ほど、「自衛隊はイラクへ人道復興支援に行った」などと答え、マスコミや政府の誰かが言ったような言葉を並べます。
九条を読んでもらうと「ああ、戦争放棄の…」「これがあるから戦争ができない」などの言葉が返ってきます。平和への思いがこもった九条の精神は、青年たちに根付いていました。 藤川 良太記者
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