2004年5月4日(火)「しんぶん赤旗」
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戦後初めて自衛隊が海外戦闘地域へ派兵され、自民、公明、民主各党の憲法改悪の動きが強まるなかで迎えた、ことしの憲法記念日の三日。全国各地で「憲法九条を守ろう」「自衛隊はイラクから撤退せよ」と集会やパレードがくりひろげられました。
東京では、「一人でも多くの参加者を」と「5・3憲法集会」(実行委員会主催)が初めて屋外の日比谷野外音楽堂で開かれました。時折、小雨がぱらつくなか、開会の二時間も前から参加者がつめかけ、会場の外まであふれる五千人が集まりました。
「勤務明けで体を休めたかったけど、改憲を許さないために」と参加した東京のタクシー運転手の横山慶男さん(60)。和紙に書いた憲法九条全文や絵をプラカードにはりつけて参加した新日本婦人の会目黒支部の堀田照子さん(61)は「九条が改悪されようとしている。じっとしていられないと、地域で宣伝を始めています」といいます。キリスト者の西貝洋子さん(72)は「平和や憲法の問題は人様にまかせるのでなく、直接携わりたいと参加しました。祈り、行動したい」と語っていました。
女優で方言指導者の大原穣子さんが司会。各界から中学生、宗教者、女性団体や労組代表ら六氏が訴えました。
日本共産党の志位和夫委員長、社民党の福島瑞穂党首、イタリアの「平和のテーブル」のマウリツィオ・グッビョッティさん、韓国の「平和を創る女性の会」のチョン・ギョンラン(丁京蘭)国際連帯委員長がリレートーク。一言ひとことに拍手がわき、「その通り」の声が飛びました。発言者と参加者が一体となって、「平和憲法の改悪反対」「自衛隊はイラクから撤退せよ」と唱和を響かせました。
志位氏は、改憲勢力の狙いが海外で米軍と一緒に戦争できるようにするため、歯止めとなっている九条をなくそうとしていることだとのべ、そうなれば武器輸出、核配備、徴兵制の歯止めもなくなると強調。生存権や人権を規定している憲法を生かして二十一世紀の国づくりをすすめていこうと訴えました。
福島氏は、戦後の日本が戦争で一人も殺したり、殺されなかったのは憲法があったからだとのべ、いつでもどこでもどんな戦争にも自衛隊が参加できるようにする憲法改悪を許さないたたかいをと呼びかけました。
集会後、銀座までパレードしました。
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