2004年5月5日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ=浅田信幸】仏各紙は、バグダッドのアブグレイブ収容所に拘束されたイラク人に対する虐待問題で占領米軍への批判を強めています。
仏紙リベラシオン四日付社説は、虐待事件は「独裁体制を覆したことで(米英)連合に与えられていたわずかな道義的正当性をも取り去った」と指摘しました。
同社説はさらに、戦争というものは人間の「獣性」を解き放つ「地獄」だとし、だからこそ兵士には「厳しい規律が課されるべきなのだ」と強調。「アブグレイブの恥ずべき責任は、彼らを戦争に送り込んだブッシュ氏を先頭とする指導者にもある」と述べています。
また同日付のルモンド紙も二ページにわたってこの問題を詳しく報道しています。同紙社説は「米英連合にとって最悪の非難となりかねない」とし、作成された駐留米軍の報告書のなかで民間契約会社の要員が虐待に関与していると述べられていることについて「戦争であれなんであれ、囚人に対する尋問を民間の『コンサルタント』に『下請け』に出すことがどうして正当化できるのか」と非難しています。