2004年5月5日(水)「しんぶん赤旗」
米国の元外交官約五十人が、四日に公表される手紙の中で、ブッシュ大統領の中東政策は、米国の信頼性を傷つけていると批判しています。
この手紙は先にブレア英首相の中東政策を批判した英国の元外交官五十二人への支持を表明したもので、「英国の友人たちを称賛する」と手紙を書き始めています。
ロイター通信によると、元外交官たちは、手紙のなかで、イスラエルのシャロン首相に全面支持を与えたブッシュ大統領を厳しく批判。「シャロンの無法な暗殺やベルリンの壁のような分離壁、占領地における残酷な軍事施策を支持し、シャロンの一方的な(ガザ撤退)案を支持することは、米国の信頼性、名声を傷つけ、友人を犠牲にするものだ」と強調しています。
また、「ブッシュ大統領は不公正な中東政策を推進することで、海外にいる米国の外交官、市民、軍人を危険な状態に置いている」と述べています。
元駐カタール大使で、この手紙の中心となっているアンドリュー・キルゴア氏は、これまでに五十人がこの手紙に署名しているとしています。
同氏によれば、中東政策だけでなく人権全般について米国の政策の方向性に批判をもつ元外交官も多くいます。
七〇年代に経済担当の国務副長官を務めたウィリアム・ロジャーズ氏は「米国は世界からもはや良い友人ではなく偽善者だと見なされている。米国の対外関係は傷つけられ、今も傷ついている」と語っています。