2004年5月8日(土)「しんぶん赤旗」
全労連(全国労働組合総連合)の年金闘争本部は七日、六日夜に発表された年金法案をめぐる自民・公明・民主による「三党合意」と七日の福田官房長官辞任という事態をうけて会議を開き、今後のたたかいの方向と当面の計画を決め、「政府の年金制度改悪法案の廃案を求める行動に今こそ総決起しよう」とのアピールを出しました。
同会議で熊谷金道闘争本部長(全労連議長)は、「年金制度という、国民生活に直結する重要な法案の成否が、国会のいわば場外での特定政党間の協議で決められようとしていること自体が、議会制民主主義に反する」と強調しました。「三党合意」の内容は、この間の国会審議のなかで明らかになってきた政府案の問題点を何一つ修正・是正するものでないうえに、財界・大企業の強い要求である消費税大増税に道を開こうとしていると指摘。「政府案に輪をかけてひどくしたものであり、こんな法案のごり押しは絶対に許せない」とのべました。
「三党合意」をもって十一日の衆院本会議での採決予定と報じられているなか、闘争本部では、参議院での審議はこれからであり、「国民世論と職場・地域からの運動で、必ず年金改悪法案を廃案に追い込もう」と訴えています。
当面、十二日昼には日比谷公園から国会まで請願デモをおこないます。
十九日を「年金改悪法案の廃案めざす全国統一行動日」とし、職場・地域で宣伝を強め、廃案を求める決議をあげ、職場訪問や六月議会要請などにとりくむことをよびかけています。
全労連(全国労働組合総連合)の年金闘争本部が七日発表したアピールは「政府の年金制度改悪法案の廃案を求める行動に今こそ総決起しよう」と訴えています。
アピールは、「三党合意」の内容以前の問題として、年金制度という、国民生活に直結する重要な法案が国会の場外で特定政党間の協議で決められようとしていること自体、議会制民主主義に反すると指摘。
第一に、「三党合意」の内容は、この間の国会審議のなかで明らかにされた保険料の自動的引き上げや給付水準の引き下げなど政府案の問題点をなんら修正・是正するものでない、としています。
第二に、「三党合意」で二〇〇七年三月までに「年金の一元化を含む社会保障制度全般の見直しをおこなう」「保険料についても必要に応じて検討を加えていく」ことなどを与党が認めたことは、政府案自身が「百年安心」どころか、数年先の見通しも示せない欠陥法案であることが明らかになったと指摘しています。
第三に、「社会保障全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め一体的な見直しをおこなう」ことを法案の付則に盛り込み、財界・大企業の強い要求である消費税大増税に道を開こうとしていると批判しています。
七日になって、国民年金保険料未納が批判されていた福田官房長官が辞任したことについて、「内閣の要である官房長官が辞任せざるをえないほど国民の政治不信、年金制度への不信を拡大させた小泉内閣の責任が問われるもの」と指摘。このことをあいまいにしたまま政府与党が年金改悪法案を押し通すことは絶対容認できないと強調しています。