日本共産党

2004年5月10日(月)「しんぶん赤旗」

ラムズフェルドは辞任すべきだ

米国各紙がいっせいに主張


 米兵による拘束イラク人にたいする蛮行問題で、米国内でもブッシュ政権への批判が高まるなかで、とくにラムズフェルド国防長官の責任を問う声が急速に広がっています。七日の上下両院の軍事委員会公聴会で、民主党議員らが「責任をとって国防長官を辞任せよ」と迫りましたが、同長官は「全責任は私にある」と認めつつも辞任は拒否しました。米国の新聞はこぞって社説を掲げ、ラムズフェルド長官は辞任すべきだとする論調を掲げています。

ニューヨーク・タイムズ

 ニューヨーク・タイムズ(七日付)は、「ラムズフェルドは去らなければならない」と題する社説を掲載。「ラムズフェルド氏が去る時が来た。それは単に、彼がアブグレイブでのスキャンダルに個人的に責任があるためだけではない。米兵がイスラム教徒の激怒を買うことが確実なやり方でアラブ人収容者を拷問し辱めることで、米国の外交官の仕事を計り知れないほど困難なものにしているからだ」と強調しています。

 さらに同社説は、「世界は、起こっていることの深刻さをブッシュ大統領が理解するよう期待している」「国防総省には新たなチームと新たな思考方法が必要だ」とし、さらに、後任としてはウルフォウィッツ副長官もふさわしくないとしています。

ボストン・グローブ

 ボストン・グローブ(七日付)も同じく「ラムズフェルドは去るべきだ」としてこう述べています。

 「(米軍が)人権と法の支配を説く一方で拷問・虐待を行っていることで、世界はアメリカを偽善者だと思っている。ラムズフェルドたちのせいで、米国人は世界のどこでも囚人にされたり人質にとられたりする危険に直面している。彼は辞任しなければならない。さもなければ、大統領が排除すべきだ」

ミネアポリス・スター・トリビューン

 ミネアポリス・スター・トリビューン(七日付)は、「アラブ世界は、当然の嫌悪を持って米国に怒っている。ラムズフェルドとウルフォウィッツはその嫌悪に責任を負うべきだ。もはや彼らに国防総省の仕事を任せるわけにいかない」と書いています。

デトロイト・フリー・ペーパー

 デトロイト・フリー・ペーパー(七日付)も、「彼が自分から辞めないなら、ブッシュ大統領が彼を辞めさせるべきだ。最高責任者としてのブッシュの責任を放免するものではないが、新イラク建設にラムズフェルドの存在は障害になる」と強調しています。

ニューヨーク・ニューズデイ

 「彼らはみな去るべきだ」というのはニューヨーク・ニューズデイ(七日付)です。

 「大量破壊兵器に関する誤った情報に始まり、戦後についての計画が欠如していたことまで、ブッシュ政権は大失態を演じてきた。国家安全保障チーム全体が更迭されるべきだ」と主張。さらに、「ラムズフェルドには答えるべきことがたくさんある。民間なら、彼はとっくに職を失っているところだが、彼は政治の世界にいる。今年は選挙の年だ。われわれはみな審判官であり、十一月に投票できるのだ」としています。

セントルイス・ポスト・ディスパッチ

 また、セントルイス・ポスト・ディスパッチ(六日付)はいいます。「ラムズフェルド国防長官は同僚とともに辞職すべきだ。アブグレイブの収容者に対する拷問・虐待問題の取り扱いのまずさだけでなく、派遣米兵の数や犠牲者数の見積もりなどの計算間違い、さまざまな誤解、失策を総合した上で辞職を求めているのだ。国防総省が企業なら、その最高経営責任者は既に去っているだろう」


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